クルマのIT化はビジネスチャンス――排出量ゼロ、重大事故ゼロを目指す(2/2 ページ)

 シナリオとしては、大きく3つ。クルマ単体での性能向上、ITの活用による性能向上、社会システムとつないだ性能向上である。

 まずクルマ単体での性能向上としては、電気自動車「リーフ」に、充電の状態をスマートフォンに通知する機能が搭載されている。またスマートフォンで、事前の空調コントロールや、充電の設定をすることもでき、充電やバッテリーの状態確認をすることもできる。

 またITの活用による性能向上では、クルマの情報をリモートで収集することも可能。リーフを利用した軌跡を、地図上で可視化できる。日本ではトラベル情報に加え、消費電力量を可視化する「みんなの消費電力」と呼ばれるサービスも提供している。

 さらに社会システムとつないだ性能向上では、家庭の系統ネットワークでリーフに充電できるのはもちろん、リーフに充電された電力を系統ネットワークや家庭で利用できる。リーフは、平均的な家庭の電力消費量の2日分に相当する電池容量が搭載されている。

人間の弱点を補完するセーフティ・シールド

 車両の知能化では、事故をゼロにすることが目標である。自動車事故の9割は人為的ミスに起因している。そこで人間の弱点を補完するのが「セーフティ・シールド」と呼ばれる仕組みである。

 セーフティ・シールドは、クルマが人を守るというコンセプトに基づき、レーダーやカメラを使って前後左右の安全を確保する仕組み。追突を回避したり、車線のはみ出しを警告したり、車線をキープしたりすることができる。

 「日産自動車では、2020年に1995年の事故数を半減させる"ビジョン2020"という目標を設定している。最終的に事故をゼロにするためには、ドライバーのミスをなくすことが必要。クルマが認識して、判断して、操作する仕組みが必要になる」(三田村氏)

 IT技術の進化により、特定の状況下では、認識、判断、操作は人の能力を凌駕することが可能になっている。すでに2013年11月には、日産自動車、トヨタ、ホンダの3社が、クルマを公道で自動運転させる実証実験を実施している。

 次にネットワークにつないだ価値として、「EPORO」と呼ばれるコンセプトロボットカーモデルを2009年に発表している。EPOROは搭載されたセンサーで、障害物をよけるだけでなく、それぞれのロボットカーの位置を把握して、安全でスムーズなトラフィックを実現することができる。

 三田村氏は、「当時はコンセプトプロトのレベルだったが、現状では実証実験の段階まで来ている。最終的には都市交通システムと連携することで、事故をゼロにすることが期待できる。IT活用やネットワーク接続により、交通渋滞を予測したり、信号のタイミングをコントロールして渋滞を防いだりすることが必要。トラフィックシステム全体としてコントロールしなければならない」と話し講演を終えた。

印刷する
SNSでシェア

この記事の著者

関連記事

ITmedia エグゼクテブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら

ぜひこの機会にお申し込みください。

入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。

入会条件:
上場企業および上場相当企業の課長職以上

※入会は無料です

エグゼクティブコンテンツ

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia エグゼクティブ SNS

X @itm_executiveをフォロー

インフォメーション

注目情報をチェック

ITmediaエグゼクティブをフォロー