国際CIO学会10周年記念講演会

日本再興戦略の成功と超高齢社会の問題解決――鍵になる女性の活躍とICTの活用(1/2 ページ)

 「超高齢社会における女性とICT」をテーマとしたパネルディスカッションには、パネリストとして、参議院議員(元少子化担当大臣)の猪口邦子氏、インテル代表取締役社長の江田麻季子氏、21世紀職業財団会長、資生堂元副社長の岩田喜美枝氏、外務省経済局長の斎木尚子氏の4人が登壇。早稲田大学准教授/国際CIO学会常任理事である岩崎尚子氏をモデレータに、超高齢化社会、女性、ICTという3つのキーワードが、今後の社会変革にどのような影響を及ぼすのか、政府、企業、就労、外交という4つの視点で議論された。

超高齢社会における女性とICT

写真右から斎木氏、岩田氏、江田氏、猪口氏、岩崎氏

 日本は、世界唯一の超高齢社会だけでなく、少子人口減少社会という問題を抱えている。岩崎氏は、「どうすれば労働力を確保し、質を高めていけるのか。日本再興戦略にもあるとおり、指導的地位に占める女性の割合を高めることができるのか。また高齢化にともなう社会保障の持続可能性をいかに確保し、高齢者の健康の質を高め"予防医療"を実現できるのか」と問題を提起する。

 政府の取り組みとして猪口氏は、超高齢化社会における医療費や社会福祉費の増大を取り上げ、「以前は、軍需(ガン:銃)か民需(バター)かという考え方だったが、超高齢化社会では、バターではなくメディスン(薬)が重要になる。超高齢化社会では、本格的な介護までは必要なくても、身体的にアシストが必要なことがある。また女性が自宅で仕事ができ、もっと自由な時間を持てれば、より能力を発揮することができる。こうした面でICTによるサポートが有効になる」と話す。

 2060年には65歳以上が総人口の40%に達し、平均寿命は女性が90歳、男性が84歳になると報告されている。そこで都市部はもちろん、地方創生の一環として、コンパクトシティ、コンパクトビレッジのような高齢者が暮らしやすい環境の実現を目指している。これは日本だけの課題ではなく、今後はアジア地域全体での高齢化も深刻な課題となる。猪口氏は、「日本政府では、超高齢化社会、女性の活躍、少子高齢化をアジア地域全体の問題として考え、ICTの活用で労働力確保をサポートしていきたい」と語る。

 次にICTベンダーとしての取り組みを江田氏が登壇。江田氏は、「PCの世界では知名度の高いインテルだが、ゲノム解析や創薬などの分野で利用されるスーパーコンピュータからPC、タブレット、スマートフォンまで、IoT分野のあらゆるデバイスに取り組んでいる。コンピュータ以外の分野では、プリンタ、自動販売機、自動車などにもインテル製品が搭載されている。単体製品だけではなく、さまざまなデバイスから情報を収集し、新たな価値を創出するIoTの世界に寄与することを目指している」と言う。

 健康分野では、高齢化社会や人材の疲弊など、多くの課題がある。この課題を解決するには、治療の高度化はもちろん、ICTを活用した遠隔治療やチーム医療などにより、包括的な医療の実現が必要。ビッグデータ解析により、さらに正確な治療ができるようになり、創薬の分野では個々の患者に最適な薬を作ることもできる。また3Dプリンタを活用することで、義手や義足をより正確に、短期間かつ低価格で作ることができる。江田氏は、「すべてをICTで解決できるわけではないが、ICTが重要なるのは間違いない」と話す。

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