日本式イノベーションの起こし方
矛盾をマネジメントし、清濁合わせ飲む(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Mustでは主に組織の要請を自分ごととします。
Will Can Mustシートは目標管理シートでもあるので、イノベーターとマネジャーとの間で厳格に運用されています。リクルートの全社員はマネジャーの力を借りて自分のリストラをするわけです。それも半年毎に。
こうした個人レベルでの仕事のリストラやリ・ポジションを徹底することで、イノベーターとマネジャーの間でイノベーションに対する動機が養成されていくのです。
矛盾をマネジメントし、清濁合わせ飲む
イノベーションは、上手くいくか、いかないか分からないことに対して組織の資源を活用して普及させなければならない、という二重の矛盾を抱えています。つまり、その本質が矛盾の塊なのです。何をするにしても矛盾だし、アイデアひとつ承認して貰うにしても、組織の壁が立ち塞がります。それは、既存事業が強固で磐石であればあるほど、イノベーターとマネジャーの前に厳然とそびえ立つのです。
では、どうすればいいのか? それは、無責任かもしれませんが、マネジャーは「そんなもんだ」と高をくくってしまうことです。「投資家からあまり期待されないものだ」「ハグレ者でもいいかな」「評価はなかなかされないな」「結構周りにいろいろ言う人が多いな」「数字で説明せよって言われても、それができたら苦労しないよ」……。
まあ、そんなもんだと捉えてしまったら、肩の力がふっと抜けるはずです。矛盾をマネジメントして、清濁合わせ飲むのです。組織は常識を育む装置です。常識で縛ろうとするのはごく自然です。常識からの開放がイノベーションそのものであり、それに抗うのがマネジャーの役目です。であるならば、矛盾は当たり前。それを完全に自分に腹落ちさせて、物事を前に進めたほうが建設的です。
イノベーション・マネジャーは共感し盛り上がる
数年前話題になった、YouTubeの動画があります。「裸の男とリーダーシップ」と名付けられたその映像は、イノベーションにおけるマネジャーの役割や重要性を考えさせられます。
市民がくつろぐ公園の芝生の斜面で、ひとりの上半身裸の男が突然踊り始めます。周囲の人はびっくりしますが、男は楽しそうにひとりで踊り続けます。暫くすると信じられない光景が映像の中で繰り広げられます。なんと、別の男が一緒に踊り始めるのです。その後、ひとりまたひとりと加速度的に増えていき、ついには公園にいるほとんどの人たちが大盛り上がり状態になるのです。
最初の上半身裸の男が「ヨソ者」「バカ者」「若者」、つまりイノベーターです。2番目に踊りだした人が正にマネジャーです。マネジャーには共感し盛り上がることが必要なのです。ついにはイノベーションが大きなムーブメントになります。
皆さんの会社のイノベーション・マネジャーが誰かをイメージすることができますか? イノベーターを無邪気に「ノセ」、自らも「ノリ」、片や冷徹に組織の力学を使い倒し、イノベーションをガンガン進めていけそうな人たち。「あいつが当てはまりそう」そうイメージできたらシメタものです。
エリート社員にイノベーションは起こせません。イノベーションはヨソ者、バカ者、若者が起こすものであり、事業の本流をいくエリート社員とは一線を画するものです。では、イノベーション・マネジャーをエリート社員がするとどうなるでしょうか?
エリート社員は、経営者とのパイプも太く、組織内のキーパーソンとの関係も豊かで、経営資源の動員力もあります。エリート社員はイノベーション・マネジャーの資質ありです。ただし、イノベーターに共感し盛り上げることができる人である、という前提条件は譲れません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
日本式イノベーションの起こし方
スティーブ・ジョブズと日本企業の事例から紐解く組織の中からイノベーションを起こす方法。
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
日本とアジアの植物文化を編み直す拠点「大多喜有用植物苑」が千葉にオープン
-
2
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
3
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
4
ビジネスもセキュリティも「数字で示すしかない」 - JERA CIO兼CISO 行徳セルソ氏
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
器の大きい人は、メールラリーを、相手のメールで終わらせる度量がある
-
7
DX/AI時代における業務プロセス標準(PCF)を活用した業務改革
-
8
東京、高級ラーメン3選
-
9
定年後の給料が4割減……40・50代が知らないと地獄を見る“再雇用の残酷すぎる現実”
-
10
AIに賭けるDeNA、データガバナンスで安心・安全を
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー