視点
サプライウェブ――新たなプラットフォームビジネスの可能性(2/2 ページ)
そして、「本来必要のないプロセスがなくなること」で、つながることの価値が大きくなる。例えば、「発注」しないとモノが届かないという状況があるために、必要以上に注文してしまったり、欠品が生じたりする。サプライウェブ全体がつながっていて、常時自動的に補充・最適化されるのだとすれば、そのような手間や無駄はなくなる。
同様に、調達先と納品先の物流・商流データが広く共有され、モノの所在を相互に把握できるようになれば、モノを受け取った際の「検品」や、在庫の数量を把握するための「棚卸」は不要となる。納品先やその先のエンドユーザーの動向を把握し、注文を受ける数量を事前に推定できれば、「在庫」を大幅に圧縮することも可能だろう。
新たなプラットフォームビジネスの可能性
インターネットを「情報をつなぐ仕組み」と捉えるなら、サプライウェブは「モノと情報をつなぐ仕組み」である。「あらゆるプロセスがつながること」と「本来必要のないプロセスがなくなること」を実現できれば、インターネットのように、広く多くの事業者にアクセスされるようになるはずだ。つまり、「モノと情報をつなぐ仕組み」をプラットフォームとして提供することへの潜在的な需要は極めて大きいといえる。
もちろん、情報だけではなく、モノもつなぐということは、インターネットを構築するよりもはるかに多くの投資を要する。とはいえ、GAFAに代表されるITプラットフォーマーは、20年足らずの間に、ゼロから世界有数の時価総額を誇る巨大企業へと成長を遂げた。部分的とはいえ、現行事業にてモノと情報をつなぐ役割を担っている物流会社や商社、流通事業者であれば、ゼロからのスタートではない。20年先を見据えた戦略的な投資を実行できれば、サプライウェブプラットフォーマーとして飛躍的な成長を遂げることも夢ではないだろう。
Copyright (c) Roland Berger. All rights reserved.
視点
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
グーグル、AI生成コンテンツの「透かし」検出ツールを一般公開 画像、動画などで識別
-
2
ジャズマンや文化人に愛された「新宿DUG」が閉店、マスターに聞くこれから
-
3
東京のレストラン7軒がメキシコ政府から「本格的なメキシコ料理」として認定
-
4
「50 TOP PIZZA WORLD 2026」に東京のピッツェリア2軒がランクイン
-
5
「進まざる者は必ず退く」、現状維持は大きなリスク - みずほFG CISO 寺井氏
-
6
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
7
「薬機法申請の添削AI」を現場が作った――ライオンが100人のAI開発者を育てて見えた「民主化」の分岐点
-
8
BizOpsとは何か? 構想と現場をつなぐ、事業成長の“実行装置”
-
9
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
-
10
Suicaアプリにコード決済「teppay」、10月20日から 上限30万、送金も可
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー