石黒不二代の「ビジネス革新のヒントをつかめ」
「従来型の企業宣伝から脱皮するチャンス」――花王 本間Web技術室室長(1/3 ページ)
米国では「マーケティングがやりたいならコンシューマーパッケージグッズの会社に行け!」というほど。日本では花王がその代表格として挙げられるでしょう。それに加えて、マーケティング分野で花王をさらに有名にしたのは、インターネットへの取り組みです。
今回のインタビューでは、花王のインターネット活用のけん引者でありエバンジャリストであるWeb制作部Web技術室の室長、本間充さんにお話を伺いました。
Webサイトの変遷
本間さんは1994年に花王に入社という、まさにインターネット商用化の年にキャリアをスタートしました。入社後、2、3年してインターネットによるビジネスが本格化するときに担当となりました。37歳で同社のWebマスターになったのですが、役員からは本間さんの上司である部長をよく替える社員だと言われたそうです。
というのも、本間さんはプロジェクトの説明と判断をあおぐために直接取締役と話してきました。通常の業務であれば、40代→50代→60代と、経験と知識と判断がバトンタッチされるものですが、インターネットに至っては90年代半ばからその重要性が認識されたため経験値が伝達されていません。だから、当時の50代はそれを決済する知識を持ち合わせていません。責任を負っている役員と直接対話する方が良識ある判断ができます。この大胆さが、業界において花王をインターネットに精通する会社に仕立て上げたのでしょう。
花王でも、世の中の流れと同様に、インターネット第一世代が94年に始まり、Webサイトをつくること自体が目的化していたといいます。本間さんが配置された97年は、競合に比べて自社サイトがどうあるべきかを考えた年でした。実は翌年までは、顧客視点ではない、会社パンフレットの焼き直しのようなサイトでしたが、99年から2000年にかけて環境の変化が起こります。マイクロソフトのOS「Windows 95」とブロードバンドが普及するのです。これが、会社としての広報色を薄め、インターネットがマーケティング目線になっていくきっかけとなりました。
2000年以降は、顧客に主眼を置いています。これまでの広報=会社としての面子から、マーケティングへのしのぎ合いの時期を経て、完全にマーケティングに変遷していきました。
ネットイヤーグループでは、あらゆる業態の顧客の仕事を請けていますが、花王ほどのスピード感はなくても、この変遷のプロセスはほぼ同じです。パンフレットから、会社の顔としてのWeb、そしてマーケティングツールとしてのWebへの変遷です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
2
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
3
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
4
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
5
「漏洩連絡が来た…」自分の個人情報が流出したら? 二次被害を防ぐ、対処法と日頃の備え
-
6
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
7
第2回:DXの教訓、AXの現実
-
8
IT部門発! サービス創出のために断行した全社変革――セブン銀行 相原氏
-
9
草の根でじわじわと変革を進めるプロテリアル、データでビジネスに「手触り感」
-
10
「話を聞いてもらえない」のは、内容のせいとは限らない――伝わる人が押さえる第一印象
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー