東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
東京・天王洲の「寺田倉庫」で、「金曜ロードショーとジブリ展」がスタートしました。日本テレビ系の映画番組「金曜ロードショー」の歩みをたどりながら、スタジオジブリ作品の魅力を紹介します。「風の谷のナウシカ」に登場する腐海をリアルに表現した空間やフォトスポットなど、ジブリファンにはたまらない展示です。
開幕に先立って行われた開会セレモニーでは、日本テレビ代表取締役で会長執行役員の杉山美邦、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫、KDDI執行役員常務の竹澤浩が登壇しました。
会場を入ると、ミニシアターのような扉とスクリーンの「シアターゾーン」が現れ、フライデーおじさんが登場するかつてのオープニング映像とともに、番組とスタジオジブリとのエピソードを紹介する映像が観客を迎えます。
その先の「ヒストリーゾーン」では、番組とスタジオジブリの歩みを1年ごとにパネルで紹介。ジブリ作品のストーリーや直筆の絵コンテ、制作現場の裏話やアーカイブ映像といった貴重な資料と、その年の出来事やヒット商品、流行語やベストセラー本のほか、昭和・平成・令和の世相を振り返り、ジブリ作品の時代性と普遍性を浮かび上がらせています。
また、思わず見とれてしまうのが、ジブリ作品のキャラクターをモチーフにした大きな「ジブリの幻燈楼(げんとうろう)」。「幻燈」とは、フィルムや造形物などに強い光を当てて、レンズで幕などに拡大映像を投影して見せる装置で、光と音楽が広がる幻想的な空間で映画の世界観を楽しめます。
これは2018〜19年に開催された展覧会「ジブリの大博覧会」富山展のために制作されたもので、東京では初展示。スタジオジブリ監修のもと、ガラスの町・富山の富山ガラス造形研究所、富山ガラス工房と地元のガラス作家らが手掛けました。
2階には、子どもから大人まで楽しめるフォトスポットゾーンが広がります。まるで架空のスタジオに迷い込んだような空間で、「魔女の宅急便」や「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」など、ジブリ作品のポスターに映る主人公になりきって写真を撮ってみてください。
圧巻は、「風の谷のナウシカ」に登場する腐海の森と王蟲(おうむ)の世界。 希代の造形作家として世界に多くのファンを持つ竹谷隆之らが手掛けた、巨大な王蟲や大王ヤンマ、ムシゴヤシなど、今にも動き出しそうなリアルさに思わず身がすくんでしまうかもしれません。
会場オリジナルのグッズショップも充実の品ぞろえ。本展の公式図録や、番組キャラクターのフライデーおじさんのアイテム、これまでに劇場公開されたジブリ作品の劇場用ポスターとパンフレットの復刻販売や書籍のほか、「三鷹の森ジブリ美術館」のグッズも一部並んでいます。「
金曜ロードショーとジブリ展」は2023年9月24日(日)まで。その後、富山県美術館への巡回が予定されています。 「リアルな腐海の森が出現、「金曜ロードショーとジブリ展」が天王洲で開幕」では、さらに多くの写真とともに、本展示の魅力を紹介しています。是非チェックしてください。
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明治学院大学 経済学部准教授