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自分はがんばっていると主張する部下に悩む上司ビジネスマンの悩み相談室(4/4 ページ)

何かにつけて、「自分はがんばっています」と主張する部下がまわりにいないだろうか。なぜ彼らはそのような行動を取るのだろうか。今回はそのことについてお話ししたい。

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 第5に、自分がどんな人間になりたいか、聞いてみる。

 「君は自分はどんな人間でありたいと思っているか?」

 「がんばっていることをみんなが認めてくれるそんな存在になりたいです」

 第6に、そのような存在になるために自分はどうすべきだと思うか、話し合うのである。

 「そうなりたいのであれば、今のままではむずかしいと思う。そうなるためにどうすべきだと思うか、考えてみようか」

 「考えてみると、やはり自分は傲慢なところがあるかもしれません。自分が仕事をしているのに、周りがおしゃべりをしていると、話をせずに仕事をすればいいのにと思う自分がいます。ただそれについて周りの人と話し合ったことはありません。まずは自分がどう思っているか話をしてみようと思います」

そして、第7に定期的にフォローアップを行うのである。

 「先日みんなと話をしてみると言っていたけれど、話す機会はあったかな」

 「実は昨日話したんです。みんなぼくのことを少し恐い、話しかけにくいと思っていたようです。職場でおしゃべりをするといのは、無駄なことを話していたわけではなく、周りの人と日々話をすることで相互理解を図っていたのだと気づかされました」

 時間はかかるプロセスだが、じっくりと向き合うことで、R君のような人は確実に改善されるはずである。

 ちなみに、R君に自分のことについて語ってもらう際に、上司自ら自分のことを語ってあげると話しやすいかもしれない。

 「わたしは落ち着いているように見えないかもしれないが、かなりそそっかしいところがある。また疲れているときにはいらいらするし、声を荒げてしまうこともよくあるね。改善したいと思うけれど、なかなか直らなくて」

 部下に自分の弱みを話すのはどうかと思う人もいるかもしれないが、部下は逆に上司に対して人間味や親しみやすさを感じ、話しやすいと思ってくれるはずである。

 お話ししたことを参考にしながら、自分はがんばっていますと主張する部下のモチベーションをうまく高めて、成果を上げてほしいと願っている。


著者プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。「ビジネスマンの悩み相談室」は電子書籍でも配信中。「自分は頑張っていると主張する部下に悩む上司」「ぬるい部下に悩む上司」「若い人には横から目線で共感する」(各250円)



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