こんなに違う一流と二流:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
気づかいは、人間的、道徳的にすぐれていることではなく、利益を生み出し、きわめて効率のいいこと。一流のふるまい方とは。
「私の言い方が紛らわしかった。ゴメンね」と言うと、次から相手はもっと気をつけて聞くようになります。
「何度言ったら分かるんだ。前もあったよね」と言うと、仕事を丁寧にしなくなります。耳がふさがってしまうのです。
人間の耳は、聞きたいことを聞いて、聞きたくないことは聞こえなくなります。選別性があるのです。「言ったよね」と言う人の指示は、耳に入らなくなってしまうのです。
会食のメンバーが、そろわない時、「全員そろうまで、待ちましょう」より「先に始めましょう」
プライベートでも、さりげない気づかいはあります。
会食の席では、必ず遅れてくる人がいます。メンバーが一気にそろうことはめったにないのです。レストランに行くと、「全員そろうまで待っていましょう」というテーブルがあります。
みんなでメニューを見てシーンとしています。6人の会で5人来ていて、何1つ頼んでいません。あと1人を待っているのです。
「全員そろうまで、待っていてあげましょう」はカッコいい発言です。やさしい感じがします。
あとから来た人は、自分待ち感があって、かえって気を使います。先に始めていれば、遅れてきた人も、あまり気を使わずにすみます。
「全員そろうまで待ちましょう」は、遅れてくるのが偉い人でない時に起こります。遅れてくるのが偉い人なら、飲みたくないので、ちゃんと待っています。
偉い人ではないのに、待ってあげるほうがカッコいいと思って待つのです。レストランの人が「何か飲物をお持ちしましょうか」と言っても、「まだそろっていないから、待って」と言うのです。
最初の2人が来たら始めていいのです。2人の待ち合わせでも、飲物1つ置かれていないと、遅れてきたほうの人に待たせた感が出ます。何か飲んでいればいいのです。
一流のさりげない気づかいができるようになるには、一流のさりげない気づかいに気づけるようになることです。
著者プロフィール:中谷彰宏
作家
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。
【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。
著作は、『一流の人のさりげない気づかい』(KKベストセラーズ)など、990冊を超す。
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