日本の国民食ともいえるギョーザ。ギョーザのチェーン店も至るところにあり、深夜でも食べることができます。日本でギョーザといえば一般的に焼きギョーザですが、ギョーザが生まれた中国では水ギョーザが主流というのは比較的知られている話。ラーメン同様、日本人が独自にアレンジを加えたギョーザは海外の観光客からも人気を集め、近年では国外に専門店ができるなど、日本の「GYOZA」は世界に広まりつつあるようです。ここでは、そんな流行から生まれた変わり種ギョーザが食べられる店や、ギョーザの新しい楽しみ方を提案する店を紹介します。
まず紹介するのは、女性に一押しの「按田餃子」。店は、代々木上原に構えています。女性をきれいにしたいと生まれたこの店では、夜遅くに食べてももたれにくい水ギョーザを提供しています。美容健康効果の高いはと麦を殻ごと練り込んだ皮は、うっすら茶色がかった色。端をとめて包むため、丸い花のような形状もかわいらしいです。ニンニクもニラも使っていないあんは、鶏肉を使用した「白菜と生姜」「香菜と胡瓜」と、豚肉を使用した「大根とザーサイ」、「カレー風味とニンジン」の4種類が用意されています。養命酒ならぬ「包命酒」や「白酒ハイボール」など、自家製のアルコールメニューと一緒に味わってみてはいかがでしょう。
ニンニクがたっぷり入ったギョーザを頰張り、その後味を切るようにビールを流し込み、またギョーザを頰張り……というのは日本における王道の食べ方。もちろんそれは幸福な反復運動であるのですが、ワイン好きの人は、ぜひ青山にある「GYOZA BAR Comme a Paris」を訪ねてみてください。ワインに合うギョーザを実現するべく、ニンニクを使用しないという決断に踏み切った同店のメインギョーザは「肉ギョウザ」と「野菜ギョウザ」。どちらにも肉と野菜は入っているのですが、肉と野菜の割合を入れ替えることにより、それぞれ肉肉しさ、ジューシーさを強調しています。フレンチらしくギョーザとともに提供される3種類の自家製ソースは、ハーブと白みそを合わせたものなど、どれも魅力的。メニューの中には「オニオングラタンギョウザ」という、フレンチとギョーザの融合をなんとも明快に体現したメニューもあります。
「池尻大橋にはマダムローズのギョーザを出す店がある」。そう聞くと妖しげな響きに身構えてしまいますが、「池尻餃子.」は拍子抜けするほど居心地の良いところ。もともとは、70歳を超えるマダムが家庭で作っていたギョーザだったのですが、その味にほれ込んだ知人が、店をオープンする際に口説き落とし、彼女は家族以外のためにもギョーザを作ることになったといわれています。まず頼むべきは「はじまりの膳」です。定番の「あおば餃子」の他、鶏とパクチーを組み合わせたものや、野菜のみのギョーザ、エビが丸ごと入ったものなど、厳選素材で作る5種類のギョーザが1つずつ食べられるので、きっと好みのギョーザが見つかることでしょう。特に「あおば餃子」は、鶏だし入りのあんのとろとろとした食感に驚くはず。これがマダムの魔法というべきか、同じレシピで作ってもこの食感を再現することは難しいといいます。新宿に店を構えていた頃に常連のホステスたちからのリクエストを受けて生まれた、ニンニクを使用しないショウガバージョンも用意されているので、次の予定を気にせずに訪ねることができるのもうれしいですね。
その他の詳しい情報は「東京、ネオ餃子5選」で紹介しています。いつもと違うギョーザに出会うべく、足を運んでみてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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