東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。5月から6月にかけては、エミール・ガレの企画展や日本を代表するイラストレーター・宇野亞喜良の過去最大規模となる展覧会など注目の展示が目白押しです。
美しい曲線と鮮やかな色彩に、草花や昆虫などのデザインで、ガラス工芸をアートへと高めたフランスのガラス作家、エミール・ガレ(Emile Galle)。「没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家」は、これまで紹介される機会の少なかった国内の個人コレクターが所蔵する貴重な作品を中心に、ガレの創作の足跡をたどる企画展です。
中世やルネサンス、ロココの美術様式から着想を得た初期作や、日本や中国といった東洋の文化から影響を受けた作品、晩年に病と戦いながら数多く制作したランプなど、アールヌーボーの華やかな作品が楽しめます。
幼少期から、歴史や語学、文学、哲学、そして植物学と、非常に幅広く深い教養を持ち合わせていただけでなく、家業だったガラス・陶器製造販売の経営を引き継いだガレ。さらには、植物学者としても精力的に活動していました。マルチクリエーターであり、敏腕経営者でもあったガレの人生を知る機会となるでしょう。
「没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家」は2024年6月9日まで、渋谷区立松濤美術館で開催。
次に紹介するのは、日本を代表するイラストレーター・宇野亞喜良の過去最大規模となる展覧会です。宇野の初期から最新作までの全仕事を網羅しています。
本展では、1950年代の企業広告や1960年代のアングラ演劇ポスター、絵本・児童書のイラスト、近年の俳句と少女をテーマにした絵画など、多くの作品の原画や資料等を展示。デビュー以来、華麗かつ耽美な作風で多岐にわたる仕事を行なってきた宇野のキャリアを体感してください。
「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO2024」は2024年年6月16日まで、東京オペラシティ アートギャラリーで開催。
大正ロマン好きなら竹久夢二の展示も見逃せません。大正時代を象徴する画家で詩人、竹久夢二の生誕140年・没後90年を記念した企画展が開催されます。
夢二は画業にとどまらず、詩や童謡の創作、封筒や絵はがきなどのデザイン、本の装丁や楽譜の表紙絵など、多彩な芸術活動を展開。「あらゆる図案、文案、美術装飾」を請け負う「どんたく図案社」の企画や、生活と美術を結ぶことを理念とした「榛名山美術研究所」の建設など、生涯を通じて人々の暮らしを彩ることに関心を向けていました。
東京都庭園美術館は1933(昭和8)年に完成していますが、建築や室内装飾には、夢二が活躍していた過去時代の意匠や空気感がそこはかとなく感じられます。暮らしの中の美を体現する邸宅空間で、夢二の作品世界を堪能できる貴重な機会です。また、会期中にきものを着て来館すると当日券を100円引きで購入できます。
「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」は、2024年6月1日から8月25日まで、東京都庭園美術館で開催。
「東京、5月から6月に行くべきアート展」では、さらに展示会を紹介しています。是非チェックしてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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