東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。7月から8月にかけては、ファッションブランド「KENZO」の創始者・高田賢三の大規模個展、ポール・マッカートニーが自ら撮影した写真展など、注目の展示が目白押しです。
2024年9月16日(月・祝)まで、日本人としていち早くパリに進出し、ファッションブランド「ケンゾー(KENZO)」を立ち上げた、高田賢三の大規模個展「高田賢三 夢をかける」が開催。会場は初台駅から徒歩5分の東京オペラシティ アートギャラリーです。
高田が手がけたファッションを衣装展示するとともに、文化服装学院で過ごした学生時代やパリでの活躍、衣装のデザイン画なども公開し、多角的な視点で生涯の創作活動を振り返ります。前半の展示では1970年のデビュー当時から話題となった、しぼりやちぢみ、つむぎや浴衣などの「日本のきれ」を用いた初期の作品を展開。素材を生かしたドレスやパッチワークを取り入れたデザインなど、日本の生地とイメージをあらゆるところに取り入れていたといいます。
後半では、高田賢三の代名詞ともいわれる、世界各地の民族衣装に着想を得た1970〜80年代の「フォークロア」作品を一斉に展示。自由を求め、社会が大きく変化した70年代はファッション業界でも「多様性」という価値観が普及し、時代の一大潮流となっていました。彼の残した作品も中国やロシア、アフリカなど、多彩な国をモチーフにしています
次に紹介するのは、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)自らが撮影した、約250枚もの写真を展示する展覧会。2023年にロンドンの「ナショナル ポートレート ギャラリー」のリニューアルオープン記念展として開催され、アメリカでの巡回展を経て、ついに日本に上陸します。
本展で公開されるのは、今から約60年前の1963年12月から「エド・サリヴァン・ショー」でアメリカに凱旋(がいせん)した1964年2月までの約3カ月間の記録です。1962年にデビュー後、瞬く間に世界的なスターとなったビートルズの絶頂期と重なります。
無料で利用できる音声ガイドは、なんとマッカートニー本人が担当。当時を懐かしむ彼の声を通して、当時の熱狂を追体験できるでしょう。
「ポール・マッカートニー写真展 1963-64 Eyes of the Storm」は2024年9月24日(火)まで、東京シティビューで開催。
刀に興味があるなら「超・日本刀入門 revive 鎌倉時代の名刀に学ぶ」もおすすめです。2024年8月25日(日)まで、静嘉堂@丸の内で開催しています。
約1000年もの歴史を持つ日本の刀は「武士の魂」とも呼ばれる武器として、また美術品として長らく鑑賞されてきました。ここ10年ほどで熱烈な愛好家が急増し、その人気は定着しつつあるものの「見方が分からない」「どれも同じに見える」と言われてしまうこともあります。
特別展「超・日本刀入門 revive― 鎌倉時代の名刀に学ぶ」は、「入門」とタイトルに掲げられた通り、国宝や重要文化財を含む名刀の数々を通して、刀剣の種類、作り手や地域による特徴、鑑賞時に注目すべきポイントを丁寧に紹介する待望の展覧会です。
展示室では刀剣とともに、運慶や快慶ら慶派の仏師が鎌倉時代に制作したとみられる、重要文化財「木造十二神将立像」が特別に公開されています。
「東京、7月から8月に行くべきアート展」では、さらに展示会を紹介しています。是非チェックしてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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