年々、真夏日が増え気温が上昇する東京で、冷やし中華の存在感は増しています。もともと夏には欠かせない存在ですが、最近では定番のしょうゆダレ、ゴマダレではないユニークな冷やし中華も生まれています。王道の冷やし中華ファンには受け入れられないかもしれませんが、ラーメンが目まぐるしいスピードで進化し続ける東京で、冷やし中華が変わっていくのは自然なことなのかもしれません。ここでは、元祖から変わり種まで、冷やし中華の歴史を感じることができる店を紹介します。
まず紹介するのは築地場内の中華料理店「やじ満」の「冷やし中華」(900円)。こちらは、60年以上変わらない秘伝のたれを使用している人気メニューです。まろやかな酸味でかなり甘めのたれは、たっぷり乗った刻みノリともマッチ。柔らかいチャーシューや、薄く仕上げた美しい錦糸卵にも確かな仕事ぶりが光ります。昔ながらの王道タイプながら、市場関係者にファンが多いのも納得ですね。もし、他にも食べる余裕があるのならば、柔らかくジューシーな「手作りジャンボシューマイ」(2個300円)もあわせて注文してみてください。
次は、池尻大橋で人気の中華食堂「鶏舎」の「冷やし葱(ねぎ)そば」(950円)を紹介しましょう。「これを食べずに夏は越せない」という声も挙がるほど常連客に愛されるメニューで、「葱そば」と名乗るだけあり、極細にカットされた大量のねぎが麺を覆うほどたっぷりと乗っています。麺の上でキラキラと輝くさまはなんとも涼しげですが、コシのある細麺にごま油が香るたれがしっかりと絡み、見た目よりもパンチのある味わい。ねぎのシャキシャキとした食感も心地よく、シンプルなのにまた食べたくなる一品です。
最後は、神楽坂の地元民たちからこよなく愛されている中華料理店「龍朋」を紹介します。この店の「冷やし中華」(850円)の特徴は、なんといっても常識を裏切る錦糸卵です。極太で大ざっぱな盛り付け方もここまでくると1つのスタイル。卵のインパクトに隠れていますが、店の人気メニュー「チャーハン」(770円)にもたっぷり入るチャーシューも厚切りで食べ応え十分です。太めの麺も具材に負けない存在感で物足りなさは一切ありません。可能ならば2人以上で訪れ、常連客がこぞって注文する「チャーハン」と、セットでついてくる煮干しが効いたスープとともに楽しんでみてください。
その他の詳しい情報は「東京、冷やし中華10選」で紹介しています。「冷やし中華はじめました」の貼り紙を探して蒸し暑い東京の街をさまよう前にチェックしてみてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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