ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
成功企業が密かに取り組む事前期待のマネジメント(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
モノやサービスへの事前期待はマネジメントできる
実は、顧客満足は、お客さまの事前期待と非常に密接な関係にあります。(図2)モノやサービスにその実体以上の「過大な事前期待」を持った場合には、どのような結果が待っているでしょうか? その実体を知った途端、期待は落胆に変わり、お客さまを失うことになります。
逆にあまり期待していない場合にはどうなるでしょうか。言ってみれば「小さな事前期待(過小な事前期待)」しか持っていなかった場合は、その結果に驚き、大きく顧客満足が上昇し、リピート客化します。また、事前期待と実際の内容に大きな違いがない場合には、お客さまの印象にはあまり残らず、ライバルがいなければ取引は継続することになります。
顧客満足には絶対値は存在せず、常に事前期待と実績評価の相対関係で決まるのです。
では、事前期待をマネジメントすることは可能でしょうか? 答えは、イエスです。例えば、「過大な事前期待」を持ったお客さまに対するマネジメントは、妥当な事前期待にするために冷やす必要があります。このためには本音のコミュニケ-ションや契約内容の確認、当初の要求内容の確認をすることで適正な水準に戻すことができます。
また、「小さな事前期待(過小な事前期待)」しか持っていないお客さまに対しては、対象となる商品やサービスの魅力を伝えるための施策が必要となります。この場合、他社との優位点や自社の商品やサービスの魅力を客観的に伝える施策が有効的です。
事前期待のマネジメントを実践すると差別化が可能になる
お客さまは誰でも、自分のことを考えてくれていることが分かるとうれしくなりますし、その企業やお店に対して愛着やロイヤルティが湧くものです。つまり、事前期待を適切に把握し、マネジメントすることで多くのお客さまを自社のファン、場合によっては応援団にすることができるのです。
特にソーシャルメディアをうまく活用することで、従来の対面のビジネスにはないキメ細やかな対応が可能になると考えています。この「ソーシャルメディア×事前期待のマネジメント」の活用は、企業がこれから取り組むべき戦略になるでしょう。
著者プロフィール:柴崎辰彦(しばさき たつひこ)
1964年東京都生まれ。1987年立教大学 文学部 心理学科(産業心理、消費者心理)卒業。1987年富士通株式会社に入社。国際ディジタルネットワークビジネス、テレカンファレンスビジネス、CTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)など数々の新規ソリューションビジネスの立上げに従事。CRMビジネスでの経験を踏まえ、2009年頃からサービスサイエンスの研究と検証を実践中。現在、同社のシステムインテグレーション部門戦略企画室にてコミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」を立ち上げ、オープンイノベーションを実践中。(社)情報処理学会、(社)日本情報システム・ユーザー協会等、大学等での講演および論文掲載多数。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
2
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
3
大阪ガス、AI開発基盤の内製で期間を最大6割削減 コード生成の先にある壁とは
-
4
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
5
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
6
出世する人としない人の差は、微差であり、その微差こそが大差になる
-
7
「対策している」と「守れている」は違う - 防御力を経営に見せる富士通のサイバーセキュリティ戦略
-
8
新顔相次ぐ小型電動モビリティー 優れた環境性能、免許返納した高齢者の「次の足」に注目
-
9
「話を聞いてもらえない」のは、内容のせいとは限らない――伝わる人が押さえる第一印象
-
10
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー