ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
オリンピック4大会連続出場を成し遂げた松田選手の「自超力」とは(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
これはどんな競技でも、どんな分野の人にでも共通することだと思っています。スポーツでも、自分はコントロールできても相手をコントロールすることはできません。世の中にも自分ではコントロールできないことが数多くあります。
自分自身と向き合い、今日やるべきことを理解し、今の課題が見えていれば、それを実行すれば成果につなげることができます。
競技を引退した今、日々の振り返りが現役時代に比べて薄くなっていると感じます。1日の中でわずかでもいいので、自分と向き合う時間を作れたら、日々の課題解決や成長のスピードは上げられるので、これからも意識したいところです。
自分だけでは超えられない壁がある
しかし、自分と向き合うだけでは超えられない壁もあります。それを実感したのは、私にとって最初のオリンピックであったアテネオリンピック(2004年)でした。メダルを目指し必死にトレーニングを積みましたが、メダルには届かず悔しい思いをしました。一方で、自分の回りにはメダルを取った仲間たちがいました。
最も印象に残っているのは、北島康介さんがアテネオリンピックで「北島、危うし」という前評判を見事に吹き飛ばし、初めての金メダルをもぎ取ったシーンです。その後スタンドにいるチームメイトやスタッフに目をやると、みんなが涙を流していました。その時私は、北島さんの金メダル獲得にこれだけの人が涙を流していることにハッとしたのです。
この経験で感じたことは、メダリストたちと当時メダルの取れなかった私との違いが、「回りの力を自分の力に変えられる選手」であるかどうかです。当時から、私は久世コーチや家族、地元のみなさんの応援というのは大きかったですし、それは力に変えられていました。でも、それだけではオリンピックで結果を出すことができませんでした。
オリンピックは日本代表チームとして戦います。そこには多くのチームメイトも、代表コーチ、さまざまな専門スタッフもいる中で、世界の舞台で戦うわけですが、当時の私は初めての国際大会でそこまでの人間関係を代表チーム内で築けていませんでした。マインド的にも、とにかく自分のやるべきことだけやっていればいいという考えでした。
金メダルを取った翌日の朝には、もうスタンドでチームメイトの応援をしている北島選手の姿を見て、私もこの舞台で結果を出したいのであれば、代表チームの中で応援してくれる人を増やし、チームメイトや代表コーチ、専門的なスタッフなど、回りの人に自分だけでは気づけない課題や経験を教えてもらいながら成長していこうと強く感じました。
これは4年ごとというオリンピックのスパンの中でも、限られたアスリート人生の中でも、とても重要な経験でした。
私たちは、限られた時間の中で成長のスピードを上げていかなければなりません。
そして勝負するステージが大きくなればなるほど、応援者の存在が大事だということです。このことは、みなさんが今働いている職場でも当てはまるのではないでしょうか。
最後に
ここでは私の章の核となる部分だけ紹介しましたが、本書では現役生活を通して感じたさまざまな学びを書きました。また久世コーチの章では、久世コーチの教えや自身が指導者として実践してきたことが書いてあります。この本を手にしたことで、みなさんにとって1つでも発見があるとうれしく思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー