女性社員に嫌われる上司は、自分でも気づかないうちに職場で何をしてしまっているのか? を明らかにすることで、すごい上司の人物像に迫ってみる。
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わたしは思います。すごい上司って、何かを積極的にする人ではなくて、何かを絶対にしない人のことなんじゃないかって。
ここでは、女性社員に嫌われる上司は、自分でも気づかないうちに職場で何をしてしまっているのか? を明らかにすることで、すごい上司の人物像に迫りたいと思います。
オレオレ臭とは、自分の主張やこだわりを強く周囲に押し付け、譲らないことです。こだわりはさまざまですが、オレオレには2種類あります。部下が許せるオレオレと許せないオレオレ、これを本書では「ホットなオレオレ」と「ブラックなオレオレ」と呼ぶことにします。
ホットなオレオレとは、簡単にいえば自分が大好きなナルシストのことです。このタイプのオレオレは、自分のこだわりに時間とお金を惜しみなく投資します。そして職場でもがんばっている自分をアピールするのが大好きで、時には周囲にもがんばりを強要することがあります。そんな時、部下は暑苦しく感じます。また、その立ち居振る舞いが場にそぐわず、滑稽に見えることもあるでしょう。
ですが、このタイプのオレオレは、案外裏表がなく、部下を大切にもしてくれます。このタイプのオレオレには、自分なりの美学があるのです。ですから、オレオレ上司が男性であれば、部下のために身体を張る男気を見せることもあります。
この傾向は、交流分析という心理学が分類する4つの人生態度のうち、「I am OK, you are OK.(自己肯定、他者肯定)」にあたります。
このタイプは自分が大好きなので、セルフイメージがそもそも高いか、小さな成功を積み重ねることで、次第に高くなっていく傾向にあります。そして周囲も熱く巻き込んでいくので、時にその言動が疎まれることもありますが、好感も持たれます。
気をつけなければいけないのは、ブラックなオレオレです。
この臭気が極端に強い人は、自説を譲らないだけならまだしも、他人の主張やこだわりは強く否定し、悪口を言うのです。この傾向をもつオレオレ上司は、常に自分が一番で、周囲を自分より下だと見なしています。ですから相手が、自社の役員であろうと客先であろうと、おかまいなしにディスります。
この傾向は、交流分析が分類する4つの人生態度のうち、「I am OK, you are not OK.(自己肯定、他者否定)」にあたります。
自分はとにかく自信たっぷりで、なにが起ころうと、すべては他人が無能なせいなのです。普通の感覚があれば、このようなオレオレには、同じ職場に居合わせたくない、関わりたくないと思うでしょう。ですが、部下は、どういう態度でその上司と接するか、腹を決めなくてはなりません。
この場合、部下の選択肢は大きく3つあると思います。
ブラックオレオレに、
同調する。
同調したふりをする。
同調しない。
さて、いずれを選択するのが正解かということになりますが、正解はありません。そして、いずれを選択しても、なんらかの苦労を背負い込むことに変わりはありません。
仮に同調する、を選択したとしても、この上司はいつ部下を裏切るか分かりません。とにかく自分のことしか考えていないのですから。それに出世競争に敗れ、いつ失脚するかもしれません。何の保証もないのです。
また、ある女性社員は、いずれの選択をしたとしても「しょせんはここだけのこと、そんな上司は裸の王様」だと思うと話してくれました。彼女が言わんとしたことは、オードリー・ヘップバーンが残した言葉と同じです。
「いばる男の人って、要するにまだ一流でないってことなのよ。」
しょせん、この会社がなくなったら、ブラックオレオレは……、女性社員は冷静に見ています。
教訓:女性に好かれるすごい上司は、本物の王様(一流)であることを目指す。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授