ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

歴史と経営をハイブリッドに活用し現代の経営やビジネスに生かす(1/2 ページ)

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人間の運命

『不透明な時代を生き抜く 名将の戦略』

 今、真田信繁(幸村)が主人公のNHK大河ドラマ「真田丸」が佳境に入っている。劇作家であり脚本家の三谷幸喜氏の優れた脚本が「真田丸」をより一層面白くしてくれている。

 本書『名将の戦略』でも、真田家と真田丸を取り上げている。戦記物や講談などちまたでも真田幸村という名がよく知られているが、どういう経緯で真田幸村となったかの確たる証拠はまだ発見されていない。ひとつのミステリーといってもいいだろう。

 史実上は、真田信繁である。幸村と信繁にはそういう空白、間隙がある。歴史上のいわば間隙、隙間を三谷幸喜氏は巧みに埋めて見せた。その工夫には三谷氏の歴史とエンターテインメントへのこだわりを感じた。

 ドラマの「真田丸」では父昌幸の「幸」と自分の関係のある言葉を嫡男大助に多くの中から選ばせ、幽閉されていた九度山村の「村」とあわせて、偶然に幸村となった設定だが、もしかしてそうだったかもしれない、なるほどと思わせる内容だった。

 もし真田信繁がこれを見ていたら、また、後世に幸村といわれて名高いことをどう思うだろうか。

 ところで、いつの時代の誰であっても、それぞれの人にはおかれた立場や運命ともいうべきものがある。『名将の戦略』に取り上げた人物たちも、また、現代のわれわれも同様である。いわば「天の時、地の利、人の和」という「天・地・人」などがそれぞれの人間のおかれた立場によって違っている。

 人それぞれの状況の中で、本書で取り上げた名将たちは国や領土、志のために皆必死で生きた、存続や生き残りをかけて全身全霊を尽くしサバイバルしてきた。

 名将とは、大辞泉によれば「優れた武将。名高い大将」という意味であるが、本書では、転じて、名リーダー、優れたリーダーという意味でも用いている。いわば、名将=名リーダーである。

 筆者の仕事の柱が株式上場や成長を目指す企業などの成長戦略と企業再建や経営改革なので、いつも参考にしている名将を取り上げている。その意味では、本書は彼らについてのいわば筆者流歴史活用法である。

 本書で取り上げた真田信繁(幸村)や信長、秀吉、家康については、過去幾多の作家や歴史家がさまざまなかたちで書き評論してきた。もしかすると何百の作家によって書かれているかもしれない。否、それ以上かもしれないが、ベースとなる史実やエピソード、伝承などはほぼ同じだ。

 そんな中で、史実やエピソードの内容などはほとんど変わらないが、筆者の視点から、彼らの哲学や考え方、ビジョンや戦略、戦術をどう活用するか、現代のビジネスにどう生かすかという私なりの活用法という点に力をおいて『名将の戦略』は執筆している。

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この記事の著者

皆木和義
皆木和義

経営改革&株式上場スペシャリスト(ターンアラウンド・スペシャリスト) 1978年、早稲田大学法学部卒業。 大学在学中から財界の官房長官といわれた名経営者の故今里廣記日本精工元会長に師事し、プロ経営者を目指して、経営、リーダーシップ等を研鑽し、ハードオフコーポレーション(東証一部)代表取締役社長、リソー教育(東証一部)取締役副社長、大戸屋(JASDAQ)社外取締役、経済産業省消費経済審議会委員などを歴任。日本において「プロ経営者」という職業の確立を目指すとともに、歴史と経営のハイブリッド型歴史研究家としても活動している。 主な著書に、『軍師の戦略』『リーダーの究極の教科書 論語』(以上クロスメディア・パブリッシング)、『図解 稲盛和夫の経営 早わかり』『教養の日本史』(以上KADOKAWA)、『3000年の歴史に学ぶ 戦略の教科書』(宝島社)、『稲盛和夫と中村天風』(プレジデント社)、『MBAビジネスプラン』(共著、ダイヤモンド社)などがある。

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