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20代男性が好きなサッカー選手は?――つぶやきの分析でマーケティングが変わるITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)

ソーシャルメディアを活用したデータ分析が進化している。次世代のソーシャルメディア分析で実現される世界について事例を交えて紹介する。

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防災分野や金融分野で有効な特化型分析

 特化型の分析事例としては、防災分野や金融分野などの事例が挙げられる。防災分野の事例では、ソーシャルネットに投稿された台風の被害状況や地域名、写真などの情報から、被害状況をリアルタイムに把握して、台風の進路を予測できる。またGPSの活用で、竜巻の被害状況を、発生場所も含めて早い段階で把握することもできる。

 「台風や竜巻、ゲリラ豪雨などが発生する場所を正確に特定することは難しい。そこで、ソーシャルメディアに投稿される気象情報を抽出し、分析することで、防災分野に活用することは、被害状況の把握や早期の避難などにおいて、非常に有効な手段の1つといえる」(佐藤氏)

 例えば埼玉県和光市では、Twitterを使った防災訓練がすでに実施されている。この防災訓練は、和光市の災害に関するハッシュタグ"#和光市災害"を定め、大規模災害が発生した場合に、被災状況に関する情報収集の手段の1つとしてTwutterを活用するためのもの。迅速かつ確実な被災状況の把握を目指している。

 金融の事例では、クレジットカードの加盟店審査がある。クレジットカードの加盟店審査では、審査先に対するソーシャルメディアの書き込みから、テキストデータ解析を使って有用な情報を抽出し、社内の基本情報とともに分析することで、より高度な審査業務を可能にし、業務を高速化している。

 佐藤氏は、「事例を中心に紹介したが、そのまま適用してうまくいく事例は存在しない。他社の事例はカタログ的に参照することはできるが、"勝利の方程式"は、自ら作りあげなければならず、覚悟して取り組まなければ結果は出ない。またマーケティング部門が作る施策と情報システム部門が作る情報分析基盤の間に壁ができることも多い。それでもこれらの課題を乗り越えて、次世代ソーシャルメディア分析によりイノベーションを実現してほしい」と締めくくった。

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