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モビリティを構成する5つのエコシステム視点(2/2 ページ)

モビリティが提供する機能の幅が広がっている。“移動”という従来よりの機能に加え、コネクテッドサービスで多様なサービスを提供し、リラックスできる空間を作り上げ、災害時には電力の供給源になったりしている。そして、新たなプレイヤーが進出を始めている。

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Roland Berger
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4、乗員や荷物にとって過ごしやすい車室空間モジュール

 ヒトが過ごす空間やモノを保管し運ぶ空間を1つのエコシステムとして捉える。そこには、日々の生活の空間、仕事をする空間、リラックスする空間、商売の空間、モノを保管し加工する空間、などが含まれ、そのためのハードウェア・制御・ソフトウェアなどが含まれる。そして、モビリティにこのような空間モジュールが作られ移動するということとなる。よって、単にヒトが座って移動する、モノが積まれ運ばれるだけではなく、多様なシーンや過ごし方に合わせた車室空間が創造されることとなる。

5、エンドユーザーへのサービスを提供する顧客接点モジュール

 多様なシーンで常に顧客とつながり、多様なサービスを提供する、それにより収益を得る一連の流れを1つのエコシステムとして捉える。リアルもデジタルも含めた多様な顧客接点を持ち、顧客接点で多様なサービスを提供できるプラットフォームが用意され、そこに多様なサービスが載せられ、同時に個々の顧客の情報も取得する。スマートフォン・タブレット・実店舗などと並びモビリティはその多様な顧客接点の1つして捉えられる。

これからの戦い方

 モビリティが果たす機能の幅が広がる中、それぞれのエコシステムで強みを持ったプレイヤーが、“エコシステムを主語”に進化を遂げようとしている。必ずしも“モビリティ全てを主語”として捉えるのではなく、何を起点・何を強みとして、どのエコシステム/エコシステムの組合せを念頭に、どのような立ち位置やビジネスモデルを築き上げるのか、考えていくことが求められる。

著者プロフィール

山本和一(Waichi Yamamoto)

慶應義塾大学理工学研究科修士課程修了後、ローランド・ベルガーに参画。自動車、航空などのモビリティー分野、及び製造業を中心に、幅広クライアントにおいて、ビジョン策定、事業戦略、新規事業戦略、戦略の実行支援など、多様なプロジェクト経験を有する。また、官公庁への支援も豊富であり、多様のステークホルダーを俯瞰した日本の産業競争力の強化へも取組む。


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