ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
「象の鼻としっぽ」――コミュニケーションギャップはなぜ起きるのか?(1/2 ページ)
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ビジネスであるいはどんな職業でも必要とされる最も重要なものの1つがコミュニケーションスキルだと思います。裏を返せば、ほとんど全ての人が日々周囲の人たちとのコミュニケーションギャップに悩み、これがストレスの原因ともなっていることでしょう。特にさまざまなメッセージを発信して組織を動かさなければならないエグゼクティブの方々にとってはコミュニケーション1つで社員のモチベーションや業績に大きな影響が出るといっても過言ではないと思います。
ここではその「コミュニケーションギャップのメカニズム」を解明します。
コミュニケーションギャップの3つの原因
わたしはコミュニケーションギャップの本質的な原因を次の3つだと思っています。1つ目が、「自分中心のものの考え方」です。わたしたちは1人の例外もなく自分中心のものの考え方しかできません。「他人の立場でものを考えよう」というのは簡単ですが、各個人の育った環境や経験も違えば性別や年齢、あるいはさまざまな「立場」というのも違うわけですから、むしろ同じと考えるほうが不自然でしょう。まずはこれを強く(最低いまの10倍以上は)認識することが重要です。
2番目が「伝わっているという幻想」です。ついつい日々のコミュニケーションの中では「伝えたこと=伝わったこと」と思い込んでしまうあまりに、「伝えた」つもりのことが伝わっていないと分かるやいなや、ぶち切れてしまい「何度言ったら分かるんだ」と大声を出してしまったという経験は誰でも1度や2度はあるでしょう。でも考えてみて下さい。あなたは相手の言ったことをどれだけ本当に理解しているといえるのでしょうか。「いや自分はちゃんと理解しているよ」という方、一体それをどうやって証明しますか?それは勝手に思い込んでいるわけではないことが、相手に聞かずにどうやって自信を持っていえるのでしょうか。「伝言ゲーム」がいい例ですが、「伝えた」と思ったことは「ほとんど伝わっていない」と考えれば、ぶち切れる回数が少しは減るのではないでしょうか。
最後のキーワードが「象の鼻としっぽ」です。もともとは仏教の説話からきているのでご存知の方も多いかと思いますが、目隠しをした複数の人が初めて象のさまざまな部分に触って象を語ります。鼻を触った人は「細長くて形が変化するもの」が象だと思い、胴体に触った人は「大きな壁のようなもの」が象だと思うかもしれません。あるいは足に触った人やしっぽに触った人はまた別のコメントをするでしょう。
日々起こっているコミュニケーションギャップの原因のほとんどがこのように「同じ事象を複数の人が別々の部分を見ていることに気づかない、勘違いによって起こっている」というのが本稿のキーメッセージです。
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