ビジネスマンの悩み相談室
過去のことを「なぜ」と問い続ける上司(1/3 ページ)
細川社長の人気連載「問われるコーチング力」も併せてチェック!
<事例>
ある電子機器メーカーのD部長は、あるビジネス系雑誌に、部下に「なぜ」と繰り返し質問することで真の問題が見つかると書かれていたので、実践してみることにした。
ある日部下のV君が相談に来た。「どうしてもお客様に商品を買ってもらう最後のひと押しができないのです」と言うのだ。そこで、質問してみた。
D部長 なぜ最後のひと押しができないんだい。
V君 押しつける感じがしていやなんです。
D部長 なぜ押しつける感じがするんだい。
V君 お客様があまりほしくなさそうに見えて。
D部長 なぜほしくなさそうに見えるんだい。
V君 顔色を見ていたら……。
D部長 それは君が先方のニーズをうまくくみ取っていないからだろう。それが問題だよ。
V君 (沈黙)
V君は何も言えなくなり、せっかく相談に行ったものの、今後は相談するのをやめようと思うようになった。D部長のほうは「なぜ」を繰り返し問うたことで、原因が見つかり、V君はしっかり気づいたと思い、満足げである。
今求められるのは4つの「What」
何かについて「Why(なぜ)」と質問をすることは決して悪いことではない。実際に「なぜ」と何度も問うことで、真の問題が見えてくることもある。
ただ、一方で時と場合によっては、執拗に「なぜ」を問いすぎることで、部下が委縮し、何も言えない状況になってしまうことがある。特に何かうまくいかなかったことを話し合うときには、マイナスの方向に進んでしまうことがしばしば起きる。
「なぜうまくいかなかったのか?」
「なぜ経費を削減できなかったのか?」
原因を探ることはもちろん大切だが、閉そく感が漂う今の時代は、失敗をどう改善して、前にいくかが求められているのである。
わたしは、4つの「What」を提唱したい。
「何を目指しているの?」
「何が目的なの?」
「何をしたらいいの?」
「何が足りないと思う?」
このように「What」を問うことで、やるべきことが明確になり、それに向かって進んでいけるようになる。
できなかったことに対して「Why」を問う人を「過去延長型」リーダーだとすると、やるべきこと、できること、目的という「What」を問う人を「未来創造型」リーダーと定義したい。
今の時代に求められるのは、「未来創造型」のリーダーである。
話が少しそれるが、ある雑誌の秋元康氏について書かれた記事を読む機会があった。彼は世の中の一世を風靡するようなことをしかけてきた人で、今年はAKB48が注目され、大きな旋風を巻き起こしたことは記憶に新しいだろう。
彼は過去のことは一切関係ないし、また今はやっていることも興味がない。興味があることはこれから何ができるかということ。マーケティングなどはいっさいしない。マーケティングについて、「過去のデータでしかない」と書かれていた。
変化の激しい時代に求められるのは、このような前に向いて自分が何ができるかを考え、実行する姿勢ではないかと思う。過去を振りかえすぎず、前を向いて「What」を問える人が必要ではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー