ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
アベノミクスによる金融緩和は国民の9割を不幸にする(1/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
4月4日、日本銀行黒田東彦総裁は「異次元の金融緩和策」を発表後、円相場は1ドル=100円を4年ぶりに突破、その後も100円前後で推移しています。
円安のおかげで輸出産業は競争力が回復した、自動車大手はボーナス満額回答、ローソンはボーナスアップ、セブン&アイ、イオンはベースアップを決めた、といかにも「景気のよさそうな」ニュースが、日々メディアで伝えられています。
安倍首相も「夏のボーナスは増えるところが多いだろう」「あと1年、2年で他の企業にも効果が波及するはず」と自信満々です。
こうした「明るい」ニュースを見ながら、ひょっとしたら、景気は本当によくなっているのかもしれない、もしかすると自分が勤めている小さな会社の給料も上がるかも、バイトの時給も上がるんじゃないだろうか……そんな期待を抱いている人も多いのではないかと思います。
多くの専門家は、「効果はまず大企業などから出てくるが、しばらく辛抱すれば中小企業にも効果は波及して給料が上がる」「正規雇用も増える」と説明しています。
しかし、こうしたニュースを見れば見るほど、わたしは日本の将来が心配になります。わたしだって、暗いニュースより明るいニュースのほうが好きです。少しでも明るいニュース、明るい要素、明るい面を見ているほうがずっと気分がいい。
みなさんは「景気がよくなる」とは、いったいどういう状態のことを言うのだと感じているでしょうか?
大卒は求人が引く手あまた、初任給も毎年上がって、中小企業の社長さんたちも機嫌がよくなってボーナスをはずみ、給料日の翌日は家族で外食もできて、休暇には海外旅行にもいけるし、将来に備えて貯金もできる。多くの人は、きっとこんな、ささやかな幸せを思い描くのではないでしょうか。わたしも同じように考えます。
毎日の仕事が忙しくても、働いた分だけ暮らし向きがよくなり、中小企業の社員も家族も、バイト君もパートさんも、身の丈にあった生活を謳歌できる社会。それが「景気のいい社会」ではないでしょうか。
けれど、最近伝えられる「アベノミクス効果」は、高級なものが売れた、大企業が一時金を支払った、株価が乱高下して利ざやを稼げた投資家が喜んでいる、円安で一部の輸出産業がひといきついた、といった話ばかりです。
これこそが景気回復の第一歩で、やがてその恩恵は、一部から全体にまで及ぶような「雰囲気」です。
2012年末から始動したアベノミクスは、大いに評価され、その効果は4月4日の「異次元の金融緩和」発表以降、決定づけられたかのような騒ぎでした。それが本当ならどんなにいいかと思います。わたしだってぜひその恩恵にあやかりたいし、日本の経済成長が続いていくのなら、それほどうれしいことはありません。
けれども、それは幻想です。このままでいったら、一般の日本人の暮らしは、おそらく2012年以前よりもずっと悪くなるでしょう。
たぶん、数少ないお金持ちは株価が高騰すれば儲かるでしょう。けれど、ごく普通の会社に勤める庶民の暮らしが豊かになることはけっしてありません。物価だけが上がり、給料は上がらない。わずかな貯金さえ物価が上がれば実質目減りする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIが勝手にやりました」は通らない トラブルの瞬間に試される責任の所在
-
2
2026年版「世界のストリートフード都市ランキング」発表、1位はホーチミン
-
3
新顔相次ぐ小型電動モビリティー 優れた環境性能、免許返納した高齢者の「次の足」に注目
-
4
第53回:なぜ、日本企業では「考えるマネジャー」が育たないのか──AI時代、「言われたことは得意だが、課題抽出や提案は苦手」な組織から脱する方法
-
5
酷暑で広がる街中の涼 濡れないミストや特殊素材の日傘
-
6
「DXからAXへ」──AIエージェントで企業の働き方と経営はどう変わるのか?
-
7
第1回:社長になる人が、課長時代から共通してやっていること
-
8
第2回:構想力の高い人は、「3つの認識」から自分なりの世界観を構築することができる人
-
9
第3回:決断力を高める人は、「鵺(ぬえ)」のようなものを自分の中に抱えておける人
-
10
100年に1度の危機は本当か――「大暴落1929」
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー