ドラッカーに学ぶ、成功する経営チームの作り方
チーム内で話し合う(2/2 ページ)
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巨額の投資や人事の決定は話し合う
経営チームは一人ひとりが、各担当分野の最終意思決定者であることはこの連載で既に伝えたとおりだ。しかし、各担当分野の最終意思決定者=勝手に決めていい」ということではない。組織のひとりとして、チームの一員として仕事をしている以上、話し合わなければ決められないことがある。それは、巨額の投資や人事についてである。
ある企業でこんなことがあった。入社日も年齢も成績もほぼ同じである社員AさんとBさんがいた。嘱望されていた2人だったが、ある日Aさんだけが昇格した。昇格できなかったBさんは、「自分はよほど期待されていないのだ」と勘違いを起こし、仕事に対する意欲が下がっていった。
Bさんの上司にAさんを昇格させるという情報が行っていなかったため、Aさんの昇格に伴ってBさんを昇格させるべきかどうかを検討する機会を持たなかったのだ。事前に確認し、話し合いの場さえあれば、それが必要なことは分かったことだ。8カ月後、Bさんはその会社を辞めてしまった。上の意思疎通の無さの結果、大事な人材を失ってしまった。
話し合いの場さえあれば、起こらないことだった。このように、会社にとって重要なことは話し合って決めなければならない。事業を成長させ、組織を繁栄させていくためには、充分な話し合いが必須なのだ。
争いは不要でも対立は必須
ソニー創業者の盛田昭夫氏が副社長、田島道治氏が会長だった頃の話だ。盛田氏と田島氏は意見の食い違いが度々ありました。盛田氏はあるとき、意見の相違で田島氏が怒っているのを承知で、自分の意見を強硬に主張し続けた。
田島氏は盛田氏にますます苛立ち、その苛立ちが限界に達した田島氏はこう言った。「盛田君、君と私は意見が違う。私は絶えず意見が対立するような会社にいようとは思わない。今すぐ辞める」
盛田氏は臆せずこう言った。「お言葉ではありますが、あなたと私がすべての問題についてそっくり同じ考えを持っているなら、私たち2人が同じ会社にいて、給料をもらっている必要はありません。その場合、私かあなたのどちらかが辞めるべきでしょう。この会社がリスクを最小限に抑えて、どうにか間違わないですんでいるのは、あなたと私の意見が違っているからではないでしょうか。どうぞお怒りにならず、私の考えを検討してみてください。私と意見が違うからと言ってお辞めになるというのは、会社がどうなってもよいということでしょうか」
盛田氏が田島氏に言ったことを要約すると、次のようになる。
「成果を生む意思決定は、対立する意見による熟考の果てに生まれるのです。だから、これからも徹底的に話し合っていきましょう」
成果を生む意思決定を生み出すために御社の経営チームも徹底的に話し合っていただきたい。
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