視点
企業変革の要諦:オペレーティングモデル(前編)~ 「20:マイナス20の法則」とPOLG ~(2/2 ページ)
“Operating Model Canvas”の著者Andrew Campbellらは、オペレーティンモデルを5つ(PLISM(Process, Locations, Information, Suppliers, Management System))に、通信機器メーカーEricssonは6つ(KPIs, Technology, Process, People Management, Organization, Partners&Alliances)に分解する。どれでも構わない。問題は、網羅感をもってオペレーティングモデルを構成できるかどうか、だ。
オペレーティングモデルの核心(2):動的進化
オペレーティングモデルは「一度作ったら終わり」ではない。事業環境に応じて進化させ続けなければならない。だが、言うは易し。とかく企業活動には慣性が働く。目先の「負」を回避すべく、従来のオペレーティングモデルを残存させてしまう。結果、企業変革は頓挫し、「20:マイナス20」のわなに陥る。これは、戦略立案の失敗ではない。オペレーティングモデル進化の失敗だ。
残念ながら多くの企業のオペレーティングモデルは、無秩序な成長の産物にすぎない。「両利きの経営」を言い訳にして、廃すべきオペレーティングモデルが堂々と延命させられる例も少なくない。経営資源の非効率な配分はROIC低下に直結、拠点過多や組織間の機能重複は顧客体験品質や利益率の悪化をもたらす。ステークホルダーは離反、短期利益を志向する投資家の格好の標的となり、事業譲渡や会社分割を迫られる危険すらある。それでも進化をためらう理由は、合理的な計画と経験豊富なPMO(Project Management Office)の不備にある。頭では分かっていても「二の足」を踏んでしまうのだ。
無論、失敗例ばかりではない。先述のEricssonは、DX(Digital Transformation)推進にあたり、CTO(最高技術責任者)とCIO(最高情報責任者)の連携不足、仕入先との協働意識に欠ける購買、アジャイル開発の対極にある製品企画といった悪弊を徹底排除、オペレーティングモデルの再構成を果たした。成功企業は、過去に拘泥することなく、事業環境変化をきっかけにオペレーティングモデルを再構成し、戦略を確実に実行する。経営における「兵たん」とは、オペレーティングモデルの動的進化に他ならない。(後編へ続く)
Copyright (c) Roland Berger. All rights reserved.
視点
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
2
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
3
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
4
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
7
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
8
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
9
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
10
PMOのポテンシャルを最大化する~いかにして変革プログラムを成功に導くか~
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー