マネジメント力を科学する
第28回:キーエンス流「価値ある商品」を創り出す組織構造とは(1/2 ページ)
エグゼクティブの皆さんが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。
高付加価値経営や生産性の高い組織開発をどのように実現するかについて、ベストセラー『付加価値のつくりかた/一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質』の著者、カクシン代表取締役CEOの田尻望さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けする第2回です。(2023年11月16日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:キーエンスに学ぶ!高付加価値経営はこうして実現する」)
「うちは特殊」という思い込み
田尻さんは、よくクライアントから「(うちは)特殊な業種なんです」と言われるそうですが、特殊な業種ほど付加価値UP策を実行しやすいですねと言います。
それは、単に自分たちや業界が特殊だと思い込んでいるだけで、思考停止しているケースがほとんどだからなのです。
他の同業・競合会社が思考停止の状態で「とりあえずお客さまに言われたら、頑張る」のであれば、そういった会社で頑張っている5%の人たちを恐れる・敵にする必要はありません。なぜなら95%の(日和っている)特殊だと言っている人たちは、「特殊だから頑張っても意味がない」と思っているからです。
「でも、これから話す価値創出の流れを教えてあげて、前向きに行動した瞬間に“えっ、うちでもこんなことができるんですね”となる。そこで顧客ニーズ起点で考えて一歩踏み出すことで勝てる。特殊な業界と言われたらラッキーと思うのはそういうことです。“そんなに特殊なんですね”ということは“御社が動き出せば勝てますね”という話なのです」(田尻さん)
キーエンスの商品は全て「ニーズ起点」での全社・全組織から作られている
田尻さんは、プロダクトアウト(商品開発や生産、販売活動を行う上で、顧客のニーズよりも企業側の理論を優先させること)ではなくマーケットインで、とにかく徹底的に今の顧客をしっかりと捉え、しかもある一部の組織だけではなくて、全社・全機能・全員がマーケットインで動けているかどうかが大事だと言います。
お客さま・市場に対してコンサルティングセールスがニーズの探索をし(1)、商品の企画者が価値を創出し(2)、商品開発が実現をし(3)、販売促進が価値展開(4)、つまりマーケティングをし、そしてセールスがお客さまに対して価値を実現しにいきます(5)。
こうしてみれば当たり前のプロセスですが、逆に言うと「これ以外に何かあるんですか」というのがポイントだと田尻さんは言います。これは全てお客さまからのニーズ起点から全社でマーケティングをしていて、全てニーズ起点なバリューチェーンになっているのです。
常に「お客さまが欲しがっているものは何か」「気付いていないけれど欲しがっているものは何か」を読みます。ある意味、これが唯一であり全てです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
マネジメント力を科学する
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
2
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
3
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
4
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
5
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
6
第2回:DXの教訓、AXの現実
-
7
5年で辞める予定の元数学青年が「しなやかな心とぶれない軸」でCISOへ - 富士通 太田氏
-
8
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
9
「薬機法申請の添削AI」を現場が作った――ライオンが100人のAI開発者を育てて見えた「民主化」の分岐点
-
10
「話を聞いてもらえない」のは、内容のせいとは限らない――伝わる人が押さえる第一印象
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー