誰でもロジカルに話せる! 魔法の方程式:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
ロジカルに話すためには、ロジカルに考えることが必要。たくさんの情報から結論を導き出す場合は、表をつくると整理しやすい。
ロジカルシンキングの手順
条件から取り出せる要素は「価格」「故障」「仕様」「待機電力」「デザイン・軽さ」「取引先」。そこに、A社、B社、C社の内容をそれぞれに書き入れます。この時点で「B社製品がいい」という結論が一目瞭然なのが分かります。
次に、「B社製品がいい」と判断した理由を整理します。人間の脳の構造上、箇条書きにして挙げるのは3つ以内がいいとされています。上司に分かりやすく、コンパクトに報告するためには、理由をただ羅列するのではなく、よく似たもの同士を、グルーピングする作業が必要です。
この場合は、理由(1)製品の性能について、理由(2)コスト面について、理由(3)その他の理由となります。「仕様」と「故障」は「性能」としてグルーピング、「価格」と「待機電力」は「コスト」としてグルーピングできます。「デザイン・軽さ」については、わざわざ上司に報告しなくてもいいことです。そういう無駄を省くのも整理の一環です。
こうしたロジカルシンキングの結果、たどり着いたのが模範解答になります。情報が多すぎるものは、整理し、ポイントを3つ以内にまとめる。伝えるときは、結論から。
まずは、この大まかな流れに慣れることから始めましょう。「たった5分で、これだけの情報を整理し、しかも30秒で伝えるのは無理!」と思っても、ロジカルシンキングという論理的な思考ルールに基づいて考えれば、誰でも短時間でまとまった話ができるようになります。
これを踏まえて、ロジカルな話し方の構造へと話を進めていきましょう。ロジカルに考えをまとめた後は、ロジカルに話すことです。ロジカルな話し方は、3つの階層で構成されます。頂点に位置するのは「結論」、2段目にはその「理由」がきます。3段目にくるのが各「理由の詳細」です。話を構成するときは、この3つの項目に必要な要素を書き込み、話す際は順番に沿って伝えます。
このロジックを理解していれば、本当に伝えるべき要素が、ムダなく、印象深く、相手に伝わります。また、これがあれば、発言中に頭が真っ白になったようなときでもすぐに軌道修正し、結論に導いてくれる心強いパートナーです。
さらに、話し手と聞き手をつなぎます。まず結論を述べることで、聞き手に「目的地」を告げることができます。その後「経由地」であるポイントを先に教えてあげることで、聞き手は安心して話を聞き理解することができるのです。もちろん、話し手が道に迷ったり、遠回りしたりすることもありません。
ロジカルに話すための注意事項をまとめてみました。
(1)冒頭で結論をひと言ではっきり言う。
(2)なぜその結論にいたったのか理由を大まかに言う。
(3)理由をくわしく述べる。ここから始めると話が長いと思われます。
(4)再度結論を述べる
「結論のサンドイッチ」と覚えておいてください。聞き手は意外と、結論すらはっきりと覚えていないものです。言い換えれば、結論だけでも聞き手の印象に残れば、大成功です。「最も大事なメッセージ」として、再度結論で締め、聞き手の印象に残しましょう。
さらに、分かりやすく、印象に残る、洗練された話の構成に、あなたの溢れる熱意をプラスしてください。そうすれば、ロジカルなプレゼンや報告が聞き手の心にさらに響くコミュニケーションに変わります。
著者プロフィール:野村絵理奈
株式会社KEE'S代表取締役社長。兵庫県出身 同志社大学法学部卒。NHK松山放送局キャスター、気象予報士を経て2005年株式会社を設立。
放送局で培った技術と経験を元に、今まで5000人以上にコミュニケーション、話し方、スピーチ・プレゼンパフォーマンスなどのセミナーや企業研修を行っている。アナウンススクールでは70名の新人アナウンサーを輩出。ビジネス話し方スクール、結婚式スピーチ・謝辞レッスンなど独自の話し方レッスンを開講しメディアにも話題に。2009〜2012ミス・ユニバース・ジャパン スピーチ・レッスン公認サプライヤーでもあり、女性が輝く話し方教育にも力を入れている。主な著書「世界一の美女になる話し方」「5000人を変えた!話し方の新・習慣」「年収を2倍にしたければ、その話し方を変えなさい!」(ポプラ社)「たった5秒で相手の心をひきつけるひと言の力」(大和書房)など
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