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最速で成果を出すために、「やることを絞る」人になるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

ガムシャラに目の前の業務に一生懸命取り組めば成果が上がるのだろうか? あなたの仕事を加速させる3つの質問に答えてみてほしい。

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 では、KSFを特定するセオリーを紹介します。それは、いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのがセオリーだということ。例を紹介しましょう。ある会社の「新規開拓」の営業です。20件の商談から1件の契約が取れる、それがこの営業のパターンでした。でも、目標は3件。つまり、2件を増やす必要があったのです。

 さて、あなたならどうしますか。訪問量を増やす? 人を増やす? 違いますよね。いたずらに「量」を増やすのではなく、まずは「率」を高めるのが正解です。この場合、商談からの契約率を今の5%から15%に引きあげる鍵を探します。

 そこで、多くの人は悩むことになります。「何から考えればよいのか」と。コツを紹介しましょう。プロセスを分解してみてください。例えば、この営業の場合は「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」という商談のプロセスに分解できます。そうなるとヒアリング力を高めるのか、プレゼン力を高めるのか、それともクロージング力を高めるのか、事実を把握した上で、いずれかに鍵(課題)を特定します。

 その鍵がプレゼン力を高めることだとすれば、そのプレゼン力を高めるべく、企画書の改善、トークの改善などの具体的な打ち手を講じていきます。

 さて、この話の重要なポイントは何でしょうか。くどいようですが、いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのが王道のセオリーということ。「率」を高めてから、一気に「量」を増やす流れで展開を考えてみてください。無駄のない効率的な展開が可能になります。ぜひ、最速で成果を出すためには、「率」を高めることにこだわってみてください。

まとめ:あなたの仕事を加速させる3つの質問

 では、最後は、あなたの仕事を加速させる3つの質問で締めくくりましょう。

  • 質問1:あなたは「いつ」までに「何を成し遂げたい」ですか?
  • 質問2:そのために必要な鍵を1つに絞るとしたら何ですか? (量ではなく率で)
  • 質問3:それは、なぜですか? (事実を把握しているか)

 いかがでしょう。答えられましたか? 数字で表せない業務の場合、難しいように思うかもしれません。でも、あえてトライしてみてください。間接業務も数字でとらえ直すことが重要です(業務のムダ、平準化などが見えます)。今は答えられなくても大丈夫。そのかわり、ぜひとも今から考えてみてください。

 くどいようですが、この言葉で締めます。いたずらに「量」を増やすのではなく、先に「率」を高めるのがセオリー。「やらない」と決めることで成果を出すことは可能です。この記事が、もっとラクに、そして速く成果を出すヒントになれば幸いです。

著者プロフィール:伊庭正康

セールストレーナー(株)らしさラボ 代表取締役

1969年京都生まれ。1991年リクルートグループ入社。営業時代に4万件を超える訪問活動を実施。1分、1秒を争う求人メディアの営業を通じ、「時間あたり生産性」を高める技術を開発。残業をすることなく、リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40回以上。その後、管理職として「時間当たり生産性」を高めるマネジメント手法を開発。営業部長、関連企業(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

 2011年、(株)らしさラボを設立。個人、組織の「時間あたり生産性」を高める技術を広めるべく、営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させる手法がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。

 また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『絶対に残業しない人の時短(しごと)のワザ』『強いチームをつくる!リーダーの心得』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。


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