マイケル・ジャクソンはなぜ白い靴下を履いたのか?:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
大人になってファッションとして真っ白な靴下を履く機会はあるか? でも、誰よりもセクシーに履きこなした男は強烈に僕らの印象に残った。
「髪の毛が後退しているのではない。 私が前進しているのである」2016年のソフトバンクの株式総会ではこんなことも。
「時代が来たときには、その前髪をつかむ。私は前髪をつかみすぎてヘアスタイルがこんなになってしまいました」
コンプレックスは誰にでもあります。成功者である孫さんにもあるでしょう。孫さんは身体的特徴を取り上げてからかってきたツイートに対してキレてもいないし、「自分の毛はフサフサ!」だとかいうような現実逃避はしていません。頭髪が薄くなっていることを事実として認め、なおかつ自虐ギャグでまとめて笑いに飛ばしています。
実際に頭髪を気にしているかは分かりませんが、もしそうだとしても、それを前向きに、しかも笑える表現にできるのがやはりすごい人なのです。実際この発言で孫さんに好感や親近感を持った人も多いのではないかと思います。使えるものはコンプレックスでも使うという態度に感心してしまいます。
僕自身もさまざまなコンプレックスを抱えていますが、それが原動力になることはたびたびあります。よく言われることですが、コンプレックスに押しつぶされて、不満を人のせいにしてくすぶっていてもいいことはありません。自分で自分を不幸にしているのです。
ネガティブな発言ばかりしている人の多くは仕事のできない人というのも周囲を見渡してみれば間違っていないでしょう。うまくいかない理由を探して言い訳をしているからです。しかし、孫さんをはじめとする成功している人たちは、成し遂げたいことのできない理由を探しません。成功する方法を見つけてあとはやるだけというスタンスです。
人間うまくいっているときはポジティブですが、ストレスを抱えているときは簡単にネガティブ思考に陥ります。自分の考え方が後ろ向きになっていないか、負のスパイラルから抜け出さなければいけません。
今回は、「靴下」そして「身体的特徴」ということから、マイケル・ジャクソンさん、そして孫正義さんについて述べました。
両者の共通点。
それは、自分をよく分かっているということです。どうすれば自分をもっと好きになってもらえるか? ということを知っているということです。好きになってもらうことは、ファンを作るということです。
ファンはいろんな行動に変わります。音楽を聞いてくれたりライブに来てくれたり。携帯電話会社だってどこでもいいけど、なんとなくあの経営者の会社にしてみようと思うかもしれません。
人はそんなものです。
ですから、ちょっとしたことにこだわることが何よりも大切です。ぜひとも考えてみてください。そして、行動してみてください。
多くの人は、行動しないのです。頭で分かっていても行動しない人がほとんどです。「行動」こそが成否の分かれ目です。ぜひとも。
著者プロフィール:野呂エイシロウ
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。学生時代に「現役の学生」を武器に、電気メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案・宣伝・PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わる。テレビ局独特の“笑い”にあふれた会議で、話し方や雑談力、提案力を鍛えられる。
放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」をいかし、30歳の時から“戦略的PRコンサルタント”としての仕事をスタート。企業の商品やサービスを一般の人に「おもしろそう!」「欲しい!」と思ってもらうような独自の戦略立案を行っている。これまでに、「SoftBank」「ライフネット生命」「GROUPON」「Expedia」「ギルト・グループ」「hulu」「FolliFollie」「ビズリーチ」「ルクサ」をはじめ、金融機関、自動車会社、アパレルブランド、飲食店など、国内外の企業90社以上があり、“かげの仕掛け人”として活躍している。
著書に、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣 』(すばる舎)『会議に呼ばれる人 はずされる人』(日経BP)『ネクタイを毎月3本買う人はなぜスゴイ仕事ができるのか――カリスマ経営者たちが実践している「自分の見せ方」 』(祥伝社)『「話のおもしろい人」の法則』(アスコム)、『終わらす技術』『稼ぎが10倍になる「自分」の見せ方・売り出し方』(以上、フォレスト出版)、『毎日○×チェックするだけ!なぜかお金が貯まる手帳術』(集英社)、『プレスリリースはラブレター』(万来舎)、『好かれるのはどっち!?』(総合法令出版)、『ビジネスは、恋愛だと思えば全てうまく行く!」(実業之日本社)
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