ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

憲法改正は、本質を踏まえた「乗り降り自由」の議論が必要(1/2 ページ)

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 先の参議院議員選挙は、自由民主党の圧勝でした。

 憲法改正は参院選の争点のひとつでしたが、選挙期間中の世論調査を見る限り、憲法よりも経済的な側面(景気がよくなるか、会社の売上があがるか、賃金があがるかなど)を重視して候補者や政党を選んだ人が多かったようです。

憲法の何がヤバいのか

憲法がヤバい

 自民党は、すでに憲法の「改正草案」を発表し、選挙の公約として「広く国民の理解を得つつ、『憲法改正原案』の国会提出を目指し、憲法改正に積極的に取り組んでいく」と掲げていました。ですから、これから憲法改正の議論が本格的に進んでいくことになります。

 憲法改正は、経済成長や景気回復等とは違った観点から検討すべき問題です。「経済政策については○○党に賛成だけど、憲法改正については△△党の方がいい」当然、このような意見があってよいと思います。

 国民の憲法に対する関心が高まるなか、7月5日、私の著書「憲法がヤバい」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が出版されました(以下「本書」といいます)

 憲法のいったい何がヤバいのか?

 本書のなかでは、主に自民党の改正草案を批評していますが、その多くは疑問を呈する内容になっています。その理由は、改正草案がいまの憲法の本質を変えてしまう(少なくとも、そのように解釈される)ものだからです。

憲法の本質中の本質は?

 憲法の三大原則「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」については、学校の教科書にも書かれていますので、皆さん知っていると思います。しかし、憲法の本質中の本質が、憲法13条に規定されている「個人の尊厳(=国民一人ひとりが人格的自律の存在として尊重されること)」にあることは、一般に広く知られているとまではいえません。

 「憲法がヤバい」――直観的にそう感じたのは、この13条の改正草案を目にしたときでした。「個人の尊厳」は、憲法学の授業で初めに学習する「憲法の根幹」です。その13条の「個人として」が、改正草案では「人として」に変わっていました。いったい、どういうことなんだろう? そんな疑念をいだきながら改正草案を見ると、憲法の本質が、「国民の権利・自由を確保すること」から、「国家の形成・成長を確保すること」に変容していました。基本的人権の内容も、「人間が生まれながらにして持っている権利」から、「共同体の中で生成された権利」に変わっていました。国民主権も、「人類普遍の原理」から、「国の統治システムの一部」に格下げされていました。

 こんな大転換がはたして許されるのか、なにか取り返しのつかないことになるのではないか、そんな危機感から、本書を執筆しました。

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