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価値あるコネの作り方海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)

ビジネスの成功法則は「人脈」にあり、とは古今東西共通の認識だが、ソーシャル・ネットワーキングが急成長しているなか、知り合いの多さを成功だと勘違いしてはいないだろうか。本物のビジネス・リレーションシップを構築する手法とは?

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エグゼクティブブックサマリー
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自己評価してみる

 自分のネットワークを確立する活動を自己評価する一環として、専門家同士の集まりや会議などのネットワークを構築する場での自分の振舞い方を考えてみて下さい。人脈を作るための本当の手掛かりを作っていますか? それともただ自分のポケットを名刺でいっぱいにしていませんか? もし無計画にネットワーク作りをしていたり、あるいは望まない人と話をすることで自分の人脈の質を落としていたりするならば、それは時間の無駄ですし、成功のチャンスを小さくしてしまうことになります。

 現在のネットワーク作りの方法を検証したら、次はコミュニケーションの取り方を見直してみましょう。今まで送ったEメール、特に情報の要求や就職活動の手助けのお願い、紹介や推薦のお願いなど特定の目的を持ったEメールをいくつか見直して下さい。ブラストメールとは異なり、効果的なEメールとは個人的なものであり、受け取る相手のみをターゲットとしているものです。

 そうしたEメールの書き手が何を求めているのかを明確に示すのはもちろん、それと同時に受け手が何を求めているのか考慮したものでなければなりません。書き手が何を求めているのかはっきりしていなければ、それを手にすることはできません。よって、お願いをしている理由を説明し、受け手に返事を書く理由を与えることが重要です。

 「つながる」だけとはリアルの場でも起こっていることですね。単なる名刺交換はそれの典型でしょう。むしろ、自分のネットワーク作りがそのようになっていないか? どのように知り合った人にフォローをしてつながりを深めているのか?そしてその意義とは何か?それを把握することが必要です。

あえて遠回りをする

 意思決定者に早すぎる段階で接近することは、逆効果を招きます。リサーチを行い、下準備をし、提案書あるいは履歴書を念入りに準備して下さい。適材適手法メソッドでは、このような遠回りでも集中的なルートが最も効果を発揮します。

 中間目標は重要なイネーブラを見つけることです。ただし、その前に自分の要求を明確にし、相手を説得する言葉をきちんと考える必要があります。その際、最初にするべきことは、「信頼できるアドバイザー」からフィードバックと情報を求めることです。

 自分の知っている人や尊敬する人、そして信頼できる人の意見を聞き、正直に批評してもらいましょう。自分の目的を明確にして下さい。具体的にし過ぎるとチャンスを逃すなどと心配してはいけません。あまりに広範囲に網を投げれば、欲しくない魚まで捕まえてしまいます。

 的を絞ることで「交差点」、つまり、自分の具体的なニーズと自分が求める専門知識を持った人のニーズが交差するスイート・スポットが特定されます。また、焦点を絞ることで見込み客や見込み従業員を見つけやすくなります。

 「マクロ目標」を明確にして下さい。マクロ目標とは、自分が達成したいと思っていることを明示したものです。マクロ目標を明確にすることで、ネットワーク作りのプロセスを分かりやすいものにして下さい。そして、小さな要素、つまり「マイクロ目標」に分割して下さい。

 インターネットを活用したジョージの例を見てみましょう。ジョージのマクロ目標はビジネスを立ち上げることでした。ジョージは最初のマイクロ目標として資金を集めることを掲げ、グーグルで「投資家」という言葉を検索しました。すると何千件もヒットしたため、今度は「ニューイングランド」、「国産品」、「小規模事業の拡大」というキーワードを足して結果を絞りました。ここで使用したキーワードやフレーズそれぞれがマイクロ目標です。

 このような的を絞った検索を行うことで、ジョージはジョージの会社と同じような小規模ビジネスに投資を行っている会社を見つけることができました。

 ビジネス目標を特定するには次の4つの手順に従って下さい。

ビジネス目標を特定する4ステップ

1、仕事上の重要な目標を最低1つは書き出す

2、少なくとも5つの「マイクロ目標」を表すキーワードを作る

3、ウェブ検索をする

4、検索の的を絞り、検索結果の質を上げる

 インターネット検索によって見つけた人や情報源、あるいは組織が、接触するべきターゲットとなります。

 ただし、下準備が整うまでそのターゲットと直接接触してはいけません。接触する代わりに、ターゲットを喜ばすために必要な情報を提供できる重要なイネーブラを特定して下さい。この「重要なイネーブラ」が、「適材適手法メソッド」の「適材」です。イネーブラが紹介し、情報や見識を提供し、周りから抜け出る手助けをしてくれるのです。

 ターゲットに好印象を与えるためにはどのような情報が必要なのか見極めて下さい。そして、その情報は誰が持っているのか特定して下さい。

 顧客関連管理用のソフトウェアを金融サービス業者に販売していたアリッサの例を見てみましょう。アリッサの担当は顧客を失いつつある企業でした。そして、彼女の担当地区内でこの情報に精通しているコンサルティング会社を見つけました。そこでアリッサは自分の人脈を見直し、その中に紹介してくれる人がいないか考えました。見込み客に関する知識がある人に紹介してもらうことは、極めて重要な手段です。

 「人脈つくり」に焦りは禁物です!とくにビジネス上の付き合いともなれば、利害関係が生まれるわけですから、相手も慎重になるでしょう。まずは信頼関係の構築からスタートです。その後、本当にそれがお互いのためになるのかどうかを見極めてから動きましょう。

望む形で紹介を獲得する方法とは

 昔からの紹介方法にはいくつかの欠点があります。例えば、紹介状の書き手は推薦の言葉を書くことを嫌がることがあるため、それによって紹介状の効果が弱まってしまうことがあります。紹介してくれる人はやり過ぎたり、やらなさ過ぎたりします。例えば、履歴書を渡す人もいれば、十分なサポートもなく提案する人もいます。望む形で紹介してもらうためには、次の手段を講じて下さい。

望む形で紹介を獲得する方法とは?

  • 紹介者に、推薦して欲しいのではなく、紹介して欲しいだけで、ただ名前を使用する許可が欲しいだけだと確認する
  • 紹介のための集まりを、ターゲットに関する情報収集の場として活用する
  • 紹介してもらうより直接自分からターゲットに接触する

 ファイナンス修士号を取得した後、ヘッジファンドに参加したいと思っていたトニーの例を見てみましょう。トニーの教授は完璧なイネーブラでしたが、自分の仕事上のコネを生徒に紹介することを嫌がることで有名でした。そこでトニーは、指導教官に相談し、教授にミーティングに参加してもらえるようEメールで頼む際、指導教官の名前を使わせてもらえるようお願いしました。

 そのミーティングで、トニーはヘッジファンドの定量分析をやり易くするための、自身で作ったスプレッドシートの説明をしました。教授はこれに感銘を受け、ヘッジファンドに参加している知り合いにトニーを紹介すると申し出ました。しかし、トニーは紹介してもらう代わりに教授の名前を使わせてもらえるようお願いしました。このようにして、トニーは誰にいつ接触するのか、自分で選べるようにしたのです。

 人に紹介を依頼するというのは非常に難しいことだと分かります。紹介においてもその人との間に利害が発生しますので、ベストな方法を模索する必要があります。

著者紹介

ゴードンS・カーチスは、カーチス・コンサルティング社の代表取締役です。講演者として人気を博しています。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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