検索
連載

部下の気持ちを駆り立てる「心のクリック」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

ロジカルシンキングが定着してきているが、それだけでビジネスがうまくいくわけではない。ロジカルに考えることはもちろん重要だが、相手の気持ちを動かすことも必要だ。そこで使える「再現性のあるスキル」を身につけよう。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

相手の気持ちを「クリック」する

 相手の気持ちを動かすとは、例えば「コミットメント」を使うこと。カルロス・ゴーン氏が日産の社長として登場したときに使っていましたが、これは「自分が宣言したことは、必ず実行する」という誰にでもある心理に根ざしたものです。

 これを応用して、部下の「気持ちを動かす」コミュニケーションをするとすれば? そう、例えば「小さいことからコミットさせる」という方法が考えられます。いきなり大きな目標では部下も尻込みしてしまうでしょうから、まずはほんとうに小さいことでもいいから、「イエス」を引き出す。次にちょっと難し目の課題を出して、その次はさらに…、と気付けば部下は「コミットメントの階段」を昇って、それほど負担に感じることなく大きな目標にチャレンジしていきます。

 はたまた、セールスの際に「コントラスト」を使ってお客様の「気持ちを動かす」コミュニケーションを無意識のうちにしている人もいるかもしれません。例えば車を買おうというとき、誰もが車体価格はゴリゴリ交渉をして、セールスマンが泣きを入れるまでまけさせます。ところが、車の付属品「アクセサリー」になると、金額が相対的に小さいものですからコントラストの効果であまり考えもせずに「30万円のカーナビシステム」を平気で購入してしまうのです。合理的に考えたら、30万円もするカーナビはかなり高い買い物なのですが……。

 もちろん、このようなコミュニケーションを普段取っている人もいて、「あの人はセンスがいいなぁ……」なんて評価されるのですが、相手の心理を動かす方法論はセンスの要素よりも「知っているか、知らないか」が大きく影響すると感じています。

 そのために誰もが覚えやすいようにまとめたのが、「CRICSS(クリックス)」フレームワーク。Commitment(コミットメント)、in Return(お返し効果)、Influence(影響力)、Comparison(コンパリゾン:比較)、Scarcity(スケアシティ: 限定感)、 Sympathy(シンパシー: 好きになってもらう)の頭文字を取ったもので、発音からのイメージで相手の心を「クリック」すると覚えると、分かりやすいはずです。

 部下がいる人、あるいは部門横断的に仕事をする人など、周りを巻き込んで大きな仕事をする人には特にお勧めですので、ぜひ一度チェックして再現性のあるスキルの構築に役立ててください。

著者プロフィール:木田知廣(きだともひろ)

シンメトリー・ジャパン株式会社代表。米国系人事コンサルティングファーム、ワトソンワイアットにてコンサルティングをおこない、成果主義人事制度の導入にて活躍する。

1999年、人事制度という枠組みを超えた人材マネジメントの知見を求めて、EU統合のまっただ中にある欧州へと旅立つ。ところが、留学先のロンドンにおいて、異なる価値観を持つ人材マネジメントの難しさの洗礼を受ける。これをきっかけに、異文化組織のマネジメントの泰斗、ロンドン・ビジネススクール

の故スマントラ・ゴシャールに師事(2001年MBA取得)。帰国後は、社会人向けMBAスクールのグロービスにて「グロービス経営大学院」の立ち上げをゼロからリードし、苦闘の末に前身的なプログラム、GDBAを 2003年4月に成功裡に開校する。これにより、同社において毎年1回与えられる「プレジデント・ア

ワード」(社長賞)を受賞する。2006年、経営学の分野で有効性が実証された教育手法を使い、「情報の非対称性」を解消することをミッションとして「シンメトリー・ジャパン株式会社」を立ち上げる。ビジネス教育における得意分野はカリキュラムのグランドデザインからプログラムの設計、教材の開発まで多岐にわたるが、講師としても受講者から圧倒的な支持を受け、「見かけや経歴はクールですけれど、話してみると熱い人でした」などのコメントが多く聞かれる。

ライフモットーは、”Stay Hungry, Stay Foolish”


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る