「結果を出す社員」と「ダメ社員」の差はほんのわずか:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
突然才能が開花したり、心を入れかえて死ぬほど努力したワケではない。自分は変わることなく、ささいな習慣を変えただけで全く別世界の結果が出たといいう。結果を出す社員に変わる5つのヒントとは。
できる社員はミスを見逃し、ダメ社員はミスを指摘する
できる社員は周りのスタッフの協力なしでは仕事が回らないことをよく知っています。そのためスタッフがミスをしたとしてもよほどでない限り、文句を言ったりしません。みんなの前でミスを指摘して恥をかかせるようなことは絶対にしないのです。
一方、ダメ社員はスタッフのミスを見逃しません。ここぞとばかりに「この部分が間違っているじゃないですか! 次からは気を付けてください!」などと上から目線で指摘します。その時は文句を言ってスッキリするかもしれません。しかし言われた方はプライドが傷つきます。当然、積極的に協力しようとは思わなくなります。
どんな仕事もスタッフの協力なしでは実現できません。文句を言ってスッキリするのではなく、相手のプライドを傷つけないようにコミュニケーションをしましょう。
できる社員は一つひとつに手を抜かず、ダメ社員はささいなことに手を抜く
できる社員は一つひとつに手を抜きません。一方、ダメ社員は細かい事に手を抜きます。例えばこのような事です。
- お客様との契約後気が抜けてしまう
- 会議はいつも同じ事しか言わないからと聞いていない
- スタッフに仕事を雑に依頼する などなど。
わずかの違いであっても、そういったことが積み重なり、後々大きな差になっていたのです。「こんな事は適当にやっておけばいいだろう」と思わずに、一つひとつの事に全力で取り組みましょう。
できる社員は結果を出すために時間を使い、ダメ社員はやったつもり
トップアスリートの言葉にこのようなものがあります。「人間はみんな同じ時間を与えられている。それをいかに有効的に使えるかが大切」
限られた時間を有効に生かす、それが結果を出し続ける人が心がけていることなのです。過去のわたしもそうだったのですが、ダメ社員は結果の出ないことに費やします。
- 仕事をしているふりをする
- 相手が望んでいない説明をする
- 仲間とゴシップネタで長時間雑談する などなど。
これでいい結果が出るはずもありません。できる社員は極力無駄な時間を過ごさないように心がけています。朝からやることリストを見て順序よくこなしていきます。
意識しなければ一日あっという間に過ぎます。何も考えずにボーと過ごせば、すぐに終わってしまうのです。1カ月も1年も1日1日の積み重ねです。
無駄な過ごし方をしていれば、あっという間に月末になり「また今月もイマイチだった」とため息をつき、気付けば「今年もダメな1年だった」と残念な結果になってしまうのです。
「限られた時間をどう有効に使うか?」を意識しながら仕事に臨んでください。良い時間の使い方をしていれば自ずといい結果が出るようになります。
ここで紹介した一つひとつの習慣はほんのささいなものかもしれません。しかし、そのささいな習慣を変える事で成功の連鎖が始まります。小さな成功がまた小さな成功を呼びます。雪だるま式に成功が積み重なっていくのです。ぜひ部下の指導に役立ててください。
著者プロフィール:菊原智明(きくはらともあき)
訪問しないで売る 営業コンサルタント、関東学園大学 経済学部講師、社団法人日本営業力検定協会 代表理事、営業サポート・コンサルティング 代表取締役。
群馬県生まれ。大学卒業後トヨターホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。「対人恐怖症」「訪問恐怖症」にまで陥るも、訪問をやめ【営業レター】に変えたところ突如、顧客の90%以上から契約を得て、4年連続トップの営業マンに。“訪問しない”“お客様に望まれる”営業スタイルを確立。約600人の営業マンの中においてMVPを獲得。2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。経営者や営業マン向けのコンサルティング業務を行っている。年間に行うセミナーや講演会の回数は実に、90回以上にのぼり、主催している【営業通信講座】のクライアントの数は卒業生も含め既に750人を超えている。現在は企業研修や通信講座の他に大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2012年までに26冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。主な著書に、『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』、『「売れる営業」に変わる魔法のトーク』、『急に「売れる営業」に変わったアイツには理由がある』(以上、大和出版刊)、『売れる営業に変わる100の言葉』(ダイヤモンド社)、『訪問ゼロ!残業ゼロ!で売る技術』(日本実業出版社)、『夢をかなえる話し方』(エンターブレイン)、『トップ営業マンのルール』『トップ営業マンが使っている営業心理術』、『人は上司になるとバカになる』(光文社)、『面接ではウソをつけ』(星海社)などがある
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