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習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

新しい習慣を身につけるのに気合いや決意は必要ない。重要なのは曖昧さを排除し具体化を徹底するということ。

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 「行動のヘルプ」とは、行動したくなるようなちょっとした工夫のこと。例えばランニングを習慣としたいのならば、「お気に入りのランニングコース」や「走りながら聴く音楽」です。背中を押して行動を促すといったアイデアです。

 「動機づけ」とは、行動したことのメリット。簡単にいえば「ごほうび」です。ランニングをしたからといって、「痩せた」「健康になった」といったメリットをすぐに享受することはできません。ですから、行動したことにごほうびを用意するのです。「走り終えたらビールを飲む」「一週間休まず続けたら外食をする」といったことでいいのです。行動にメリットがあれば、人はその行動を繰り返す=習慣になるのです。

 「ハードル」とは簡単に行動できるようにする工夫、すなわち「行動のハードルを低くする」アイデアです。すぐにランニングができるように、シューズは必ず玄関に出しておく、ウェアは前もって準備しておくなどこいうった、面倒くささを感じさせない工夫が大事です。もしシューズを押し入れの奥にしまっておいたとしたら? ウェアがすぐに見つからなかったら? それは行動のハードルを高くすることとなります。

 もうお分かりかと思いますが、悪い習慣を排除したい場合は、すべてこの逆をやればいいのです。行動のヘルプをつけず、ごほうびではなくペナルティを考える、そして行動しづらい、高いハードルを設ければいいのです。

 もしあなたに(あるいはあなたのチームに)手に入れたい習慣があるならば、まずはその習慣を行動として「具体化」させること、そして「行動をコントロールする」ことを試してみてください。

 習慣が身に付かないのは、あなたの性格や意志のせいではありません。あなたは習慣づくりの「いいやり方」を知らないだけなのです。

著者プロフィール:石田 淳

行動科学(分析)マネジメントの第一人者。アメリカのビジネス界で大きな成果を上げる行動分析、行動心理を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ、「行動科学マネジメント」として展開。精神論とは一切関係なく、行動に焦点をあてる科学的で実用的な手法は、企業経営者などから支持を集める。

組織活性化に悩む企業のコンサルティングをはじめ、セミナーや社内研修なども行い、ビジネス・教育の現場で活躍している。趣味はトライアスロンとマラソン。2012年4月、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250キロメートルマラソンに挑戦、完走を果たす。

『教える技術』(かんき出版)、『組織行動セーフティマネジメント』(ダイヤモンド社)、『組織が大きく変わる最高の報酬』(日本能率協会マネジメントセンター)、『挫けない力』(共著・清流出版)など著書多数。


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