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「ここ一番」に強い人は「相手の脳ミソ」で考えているビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

伝わる人と伝わらない人がいるジレンマを感じたことがあるだろうか。相手のタイプや志向を把握して、無用なプレッシャーをはねのけよう。

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(1)負けず嫌い人(勝利志向)

 特徴は、せっかちで、白黒(勝ち負け)をはっきりさせたい人。勝利への執念が強い。ビジネスシーンでは目標達成への執念になる。対処のポイントは冗長的にならないこと。1つは「話す順序」に気を付けること。「まず結論から話し、その理由を語ってから、状況を説明する」のがお勧めです。2つ目は時間。「1分でも遅れてはダメ」ということ。このタイプは時間がルーズなことを嫌います。3つ目は、提案をするなら「選択肢を示す」ということ。彼らは決めつけられることを嫌います。

(2)目立ちたい人(注目志向)

 特徴は、目立ちたがりで、注目されたい人。ビジネスシーンでは評価や評判への執念が強くなる。対処のポイントはノリを大事にすること。1つは「大げさなくらいに共感する」こと。「さすがですね」「すごいですね」は常套句。2つ目は判断のポイントがユニークさにあること。提案をするなら「業界初」「誰もやっていない」などのコンセプトが大事。3つ目は、「振り回されない」ということ。彼らは意見がコロコロ変わります。早めに話を固めるようにしてください。

(3)やさしくありたい人(平和志向)

 特徴は、調和を大事にしたい人。ビジネスシーンでは「みんなの気持ちへの配慮」が強くなる。対処のポイントは一緒に考えること。彼らは決断が苦手です。1つ目は「相談にのる」こと。「一緒に決めていきましょうよ」は喜ばれる姿勢です。2つ目のポイントは「人に喜ばれる」提案であること。「○○さんも助かると思います」などのコンセプトが大事。3つ目は、「デッドラインを決める」ということ。このタイプは決断を先延ばしにする傾向があります。予定表を見ながら、一緒にデッドラインを決めましょう。

(4)納得したい人(論理思考)

 特徴は、納得感を大事にしたい人。ビジネスシーンでは「筋道」「確率」へのこだわりが強くなる。対処のポイントは「確からしさ」を示すこと。1つは「ノリですまそうとしない」こと。最も嫌われます。2つ目のポイントは「データや情報を示す」こと。自分で考えることで納得感を得たいと考えています。その材料となります。3つ目は、同じく「デッドラインを決める」ということ。このタイプは決断に時間を要します。デッドラインを決めておきましょう。

 このように、相手のルールが分かれば、無用のプレッシャーから解放されるだけでなく、ここ一番での「話の進め方」が見えてくるのです。ぜひ、日常のシーンでも意識してみてはいかがでしょうか。

最後に

 さて、今回、「ここ一番」に強い人は、ものごとを「相手の脳ミソ」で考えていると話しました。その理由を分かってもらえたでしょうか? 相手の思考で考えれば、対処の仮説を立てられるため、無用なプレッシャーはなくなります。今回は、「聴く」こと「相手のルールに合わせること」を抜粋して紹介しました。他にもさまざまなノウハウがあります。ご興味があれば、拙著「プレッシャーを味方にできる人50の方法」をご覧ください。皆さまの明日のビジネスの一助になれば幸いです。

著者プロフィール:伊庭正康

(株)らしさラボ 代表取締役 営業コンサルタント、ストレスコーピングコーチ

1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。一つひとつの行動をお客様の「期待に応える」のではなく、「期待を超える」ことにシフトするだけで、一気にリピート率が高まる法則を発見。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞する。その後、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

2011年リクルートを卒業し、(株)らしさラボを設立。「要望に応えず、願望に応えよ」「主語をWEに変えよ」「敢えて、ひと手間を加えよ」といった、誰もが出来る理論が評判を呼び、多くのリーディングカンパニーにおいて年間260回の研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。


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