ラテアートブームやスペシャルティコーヒーの台頭をきっかけに、コーヒー業界に足を踏み入れた多くの若いバリスタたちが今、日本中のコーヒーシーンで活躍しています。中でも今回紹介する若手実力者は、それぞれの感性や経験によってこれまでにはなかった新しい道を開拓してきた精鋭ばかりです。
彼らの活躍を知れば、きっと今のコーヒー業界がどのように広がりを見せているのかを読み解くこともできるでしょう。
コーヒー好きから高い注目を集める、「イグニス」を営むのは、オーナーバリスタ兼ロースターの土橋永司。同店では、スペシャルティコーヒーの中でも最高品質のものだけを常時10種類以上用意しています。価格は1杯1000〜3800円(以下全て税込み)です。
「コーヒー業界におけるニュースタンダード」を目指しており、本来コーヒーショップの売上の主軸となるカフェラテなどのミルクを使用したコーヒーは、一部のアレンジドリンクを除き提供していません。
トップオブトップの豆で淹れるコーヒーは香りが華やかな上に個性も豊かで、飲み比べを楽しむ客も訪れるそうです。オリジナル商品の開発にも積極的で、チョコレートを一切使用しないフェイクカフェモカ「ノワール(Noir)」や、カクテルグラスで提供する「コーヒーゼリー」はメディアからも注目を浴びています。
次に紹介するのは、悶絶級の3Dラテアートを客の目の前で作り上げる日本屈指のラテアーティスト松野浩平。2019年にオープンした自身のコンセプトカフェ、「ハットコーヒー」は、連日予約で席が埋まるほどの人気で、海外からも同店を目指して多くの客が訪れます。
ある日、松野が自宅でラテアートの練習をしていた時、スチームに失敗してミルクの泡が固くなり過ぎてしまったそうです。その泡で立体的なラテアートを作ってみると、友人から絶賛されました。その後はインターネット上で作品を発表したり、フリーマーケットなどでライブパフォーマンスをしたりして国内でも徐々に認知度が上がっていきます。その結果、ロイター通信制作の動画コンテンツに出演し、「3Dラテアートの第一人者」として世界60カ国以上で知られるバリスタになりました。
現在では蔵前と浅草において2店舗のカフェを経営するとともに、企業・ブランドとのコラボや監修、広告やドラマへの協力、バラエティー番組の出演、イギリスでラテアートの教則本を出版するなど、活動の幅を広げています。
そして、木村佐理は、女性バリスタの技術の底上げと社会的地位の向上を目指すラテアート大会「Lady Barista Latte Art Competition」を2016年から主催する要注目人物。
コーヒー界のレジェンド、「カフェバッハ」の田口護が淹れるコーヒーの味わいに感動した木村は、バリスタの道に進みます。その数年後にはラテアートの世界選手権に出場するなど、目覚ましい結果を残しています。
浅草で2店舗のカフェを経営しており、2018年には着物姿のバリスタがエスプレッソマシンを操る「スケマサコーヒー」を、2022年には同じく浅草に季節のケーキが楽しめる「ペチカ スケマサコーヒー」をオープンさせました。
「東京、注目の若手バリスタの店5選」では、さらにバリスタたちの魅力を紹介しています。是非チェックしてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部
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