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ビジネスに活用するねたみ力ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

ねたみの感情は誰にでもあるもの。封じ込めておかずに、取り出して理解することで自分の成長につなげることができる。

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怒りタイプ

 あなたがこのタイプであれば、怒りの矛先がさまざまであろう。Aさんに向けられたときは、「あいつは、商売はうまいけれど、女癖が悪くてね。経営者としては問題だね」など、個人的な短所を攻撃するだろう。Aさんの会社に怒りを向けたときは、「わが社の長年にわたる顧客を不正なやり方で奪ったのは許せない」など、商売倫理を持ち出すかもしれない。時には自分の会社の社員に向けることもある。「新製品中止を提言した経理部長の木村君は、短絡的な考え方しかできない人間だ。彼は中途採用だね。あんな人材しか採用しないわが社の人事部はどうなっているのだ」などと組織を攻撃する。怒りはどの方向に向いても、義憤の装いが着せられるのが、ねたみの特徴の1つである。AさんやAさんの会社を攻撃しても自社が有利になることはない。まして自社の人間に怒りをぶつけることは百害あって一利なしである。

マイペースタイプ

 「AさんはAさんのやり方がある。慌てることはない」などと、自分のペースで進んでいくタイプである。怒り、不安、悲しみをあまり感じないので、精神的には安定しているが、マイペースを強調するあまり、Aさんの会社に比べて自社が遅れている事実に鈍感で、会社の改革が遅れてしまう恐れがある。

ねたみの活用方法

 あなたがどのタイプであっても、ライバルとの差を直視して、その差を埋める努力を開始することが、共通したねたみの有効活用法である。内向不安悲しみタイプ、外向比較タイプ、怒りタイプはねたみをねたみとして意識することがファーストステップである。マイペースタイプは、より高い志をもって、本当に良い会社を創ってやろうと腹を決めることがファーストステップである。ねたむ相手が持っているものが、あなたにとって本当に価値があるものだったら、「自分の力で手に入れなさい」と、ねたみがあなたに教えてくれているのである。

著者プロフィール:松下信武(まつした のぶたけ)

1944年生まれ。70年京都大学経済学部を卒業し、三洋化成工業入社。学習塾経営、ベルシステム24総合研究所所長を経て、現在ゾム株式会社代表取締役社長。日本電産サンキョースケート部のメンタルコーチを担当し、バンクーバーオリンピックでの長島圭一郎選手の銀メダル、加藤条治選手の銅メダル獲得に貢献。日本スケート連盟強化スタッフ。長野県丸子修学館高校野球部メンタルコーチ。専攻はEQを中心とした情動心理学。得意分野はエグゼクティブコーチング、メンタルコーチング、口コミマーケティング。


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