残された時間を価値あるものに:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(3/3 ページ)
限られた時間を有効に使うためには、時間だけではなく価値を管理する必要がある。人生も仕事も楽しめるタイムマネジメント方法とは。
「価値」をマネジメントすることが、本当の意味ある時間管理
時間をコントロールする前に、見直すべきは「価値」です。何のために、どのようなことを実現したくて、どのような活動が必要で、それに対してどのくらい時間を割り当てるか、というマネジメントです。
価値を見つめ直し、「自分にとっても、自分が大切にしたい人にとっても共通した価値」を見いだし、それを実現するために行動計画を練ることが、最短で最強の時間術につながっていきます。
ですから、「仕事をとるか、家庭をとるか」は愚問だということです。
Value、Action、Time の順で管理せよ
幸せになるために、あるいは成功するために必要な時間術とは、次の順番で行われるべきです。
1. Value:まず、自分にとっての価値あるものを決める
2. Action:価値を実現するために必要な行動を決める
3. Time:行動を残された時間で実現するための時間割を決め、実行する
価値管理というのは、「自分がこうありたい」状態を達成し、キープするための「羅針盤」です。言い換えると「人生の目的」。ですから、当然、価値観にそぐわないことはやるべきではありません。すべての行動は、自分の考える「価値」を指針に計画されるべきだからです。一方、作業の効率化やToDo管理などは、最後のステップです。しかも、その活動が自分の求める「価値」に結びついているかどうかをチェックしながら進むべきです。タイムマネジメントだけやっても意味はないのです。
著者プロフィール:永田豊志(Toyoshi Nagata)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、コンピュータ系雑誌の編集長や、CGキャラクターの版権管理ビジネス会社社長などを経て、2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。ライフワークとして、ビジネスパーソンの知的生産性研究に取り組んでおり、そのノウハウを広めるべく執筆活動や講演などを行う。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。iPhoneアプリ『仕事効率化Tips〜最強フレームワーク100』は、総合ランキングで最高2位となるなど話題に。最新刊は『結果を出して定時に帰る時短仕事術』。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- すぐに使える「二項対立」の視点
あなたの意見を通したいときは、対立している相手が問題としている点を解決しなければ前へは進めない。15の視点で捉えてみる。 - ストレスからモチベーションへ
ストレスが感じられなくなる姿勢があるという。自身のストレスをコントロールしてポジティブに暮らせる訓練とは。 - 「レストラン」の経営からマネジメントを考える
「興味の見える化」をすると、やりたかった仕事、得意な仕事が見えてくる。競争力のある現場は適材適所から。 - ビジネスに活用するねたみ力
ねたみの感情は誰にでもあるもの。封じ込めておかずに、取り出して理解することで自分の成長につなげることができる。 - 「いい会社」に共通する4つの特徴
財務的業績が高い会社、超長寿企業、働きがいのある会社に共通する特徴は、どの会社でもできそうでできないこと。 - きちんとした食習慣を身に付けることは自分への確かな投資
食べているものが体にどのような影響を与えるか考えてみる。古い食習慣を見直し、新しい食習慣を始めてみてはいかがだろうか。 - 日本丸再浮上のために
大胆な方針と強烈なリーダーシップが求められる今、政治の世界に経済界の人材投入が必要。国家運営に会社運営のセンスを。 - ネットならではの顧客感情マーケティング
ネットビジネスで成功するにはその特徴を理解する必要がある。デジタルな世界だがアナログなアプローチが強みを発揮する。 - 改善から革命へ 不可能を可能にする時間管理術!
与えられた時間はみんな同じだが、時間の生み出し方、効率化は「反常識の仕事術」で変えられる。 - 「ラッキー」をつかみ取る技術
「これ以上ないと思えるほどラッキーな人生を送っている」ラッキーな人の特徴とは何か。 - テレビを使って1000万人にPRできれば売り上げがあがる!
大好きな相手にラブレターを書くように、プレスリリースを書く。テクニックを身につければ商品ヒットにつなげられる。 - 分かっていてもできていない社長のための勉強法
時間のないビジネスマンが勉強するには、勉強上手な人の方法を取り入れるのも効率化の1つ。情報を理解して実践するために勉強は必要である。 - 人が育つ企業に共通する上司像とは?
人を尊重する会社は業績も向上する。部下に愛情を注ぎ、仕事へのチャレンジを喜びとする魅力的な上司になろう。 - 資金繰りの悩みは「お金の見える化」でスッキリ解決!
企業の存続に欠かせない資金繰り。なぜか悪化するときは突然である。経済危機がひとまず収まった今、資金繰りを4つの通帳で管理してみてはいかがだろう。 - あなたの人材価値は、ここで判断されている!
この厳しい時代でも人材は必要とされている。実際の年収を超えた価値が提供できるか、その価値が世の中で認められているか。成功している経営者やリーダーから学ぶ人間力とは。 - 会社は部長につぶされる!
今すぐ会社を変えたいのならまず組織作りから。会社をつぶすのも、成長させるのも部長に懸かっている。 - 大きな器のリーダーを目指そう
なぜ、「あの人と一緒に働きたい」「あの人について行きたい」と思うのか。リーダーシップは右脳的か、左脳的かで分けられる。 - メールでモテるための3カ条
メールは伝達の方法として便利なだけではない。言葉の使い方しだいでは、見えない人との深いコミュニケーションを生み出すことも可能なツールだ。 - 「あなたのBest」でなく結果を出して――ビジネス英語に必要なネイティブ感覚
「洗練された英語を話したいがどうすればいいのか……」と考えたことがあるビジネスマンは多いだろう。一流のビジネスマンのように話したければ、一流のビジネスマンのスピーチをまねることから始めてみてはいかがだろうか。 - 「離れる勇気」を持つことが問題解決のコツ
手段ばかりに気を取られていると、目的を見失ってしまうことがある。問題を解決するには意識を変えて本質をとらえることが肝要だ。 - トップにもの言えぬ社員――かつての軍部とよく似た会社
戦時中の日本海軍に関するドキュメンタリーを見ていて気が付いたことがある。それは、現在の企業に通じる事象があまりにも多かったことだ。 - “ギスギス”する職場、その背後にある見えない問題とは
社員の不満を解消することで、働きやすい職場を作ることができるかもしれない。だが、それによって企業の業績が向上するかどうかは別問題であるという。 - 女性カウンセラーに悩み相談:リーダーシップのスキル向上は何をすれば認めてもらえるか?
勤務評定で「本年度はリーダーシップのスキルを磨くように」と上司から言われたが、具体的に何をすればスキルの向上を認めてもらえるのか?――リーダーシップに必要な3つの条件を理解しよう。 - 職場改善道場:社員と対話しないリーダーを見過ごすな
組織における問題の多くはコミュニケーションに関係する。ただし社員同士がやみくもに対話の量を増やせば解決するものではない。組織の中核となる人物の行動が鍵を握るからだ。