必ず部下を“ワクワク”させる、究極のリーダーシップセオリー:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
リーダーに向き不向きはない。また輝かしい実績も無用で、大声を張り上げる必要もない。部下をワクワクさせるのに必要なこととは。
「私は、悔しい。この地域で何十年と頑張ってきた経営者が、後継者不足のために廃業せざるを得ない状態にある。絶対に安心してもらえる状態にしなければならないと考えています。だからお願いです。力を貸してください。1件でも多く、訪問活動をしてください。よろしくお願いします」
すると、営業所は、一瞬の静寂の後、次第に大きな拍手で包まれ、部下からも「やりましょう!」という声が上がったのです。
いかがでしょう。なぜ、大きな拍手がおこったのでしょうか。これは決して藤田さんだけではなく、私の研修やコーチングを受けたリーダーのほぼ全員に起こる出来事です。困っている誰かを救うために、本気になって頭を下げているのかが重要な点です。つまり、「どこを見て仕事をしている」リーダーなのか、そこに答えがあります。拙著では、50個のセオリーを紹介していますが、その中で最も重要なセオリーが、このLevel4の視点で「リーダーとしての使命」を語るということなのです。
あなただけの「使命」の見つけ方
さて、使命を見つけるには、公の憤り(公憤と言います)を見つける必要があります。関心を「3つの不」にシフトしてみて下さい。3つの不とは、「不満」「不便」「不安」のことを指し、特にお客さま、もしくはお客さまになっていない人々の不に関心を持った上で、不を解消するための代弁者とならねばなりません。
お客さまに近い営業や接客のリーダーなら、スグにできるかもしれません。しかし内勤の場合は少し、大胆な行動が必要です。おすすめは、営業に同行させてもらう、もしくは実際に店頭に立ってみる、などの方法です。
実際に私のコーチングを受けたリーダーの中には、お客さまのもとに取材に行ったり、中にはお客さまの会社に出向き1日体験をした強者もいました。そこまでやると、部下はリーダーに本気の覚悟を感じることとなります。
まとめます。部下をワクワクさせるためには、Level4で使命を仕立てておくことです。そして使命を見つけるためには、お客さまやお客さまになっていない人の「不」を知ること。ここを意識しておくだけでも、覚悟が言動にあらわれてくることでしょう。
著者プロフィール:伊庭正康
らしさラボ 代表取締役(セールスリーダー育成・トレーナー)。
1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。リクルート社においても珍しいとされるプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40 回以上。その後、営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。
2011年らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)がリーディングカンパニーの目に留まり、年間260回の営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。
また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『苦手な人がいなくなる(中経出版)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。
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