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日本にこそ「クラウドファンディング」。その魅力とは?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

夢をかなえるのに欠かせない資金。まったく名もないアーティストがクラウドファンディングでお金を集め、ニューヨークで個展を。助け合いの精神が夢を支える。

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 さて、なぜ私がクラウドファンディングに注目したのかを話しましょう。私は自分の夢をかなえるために高校卒業後、バイク便でお金をためて、アメリカへ渡りました。そして、アメリカで会社をおこしました。クラウドファンディングなどまだない時代でした。その20年後、2008年にクラウドファンディングが米国で始まったのです。始まった当初から米国では注目され、私の友人たちもこの仕組みを利用していました。私も、あの苦労した時代にこんな方法があったらよかった、と思ったのです。

 日本で始まったのは、2011年の東日本大震災直後からでした。私はこの仕組みは日本にこそ、適しているのではないかと思いました。助け合う精神、絆を大事にする国民性、約束を守るという常識を持ち合わせている日本人にぴったりの仕組みなのです。日本人が苦手とする、ドライなビジネスとしての投資や寄付とは違うのです。そんな背景から2012年に、クラウドファンディングに関してのセミナーを開催しました。そして、私自身「日本アート祭り」をニューヨークで開催するために、このクラウドファンディングを利用した経緯もあります。

 現在私は、アメリカに進出してくる起業家やアーティストなどに、海外進出に関してのコンサルティングをしています。そこでいつもぶち当たるのが、お金の問題です。起業家は銀行からお金を借りたりと苦心していました。アーティストはバイトで稼いだなけなしのお金をつぎ込んでいました。そんな彼らに、最近ではクラウドファンディングを紹介し、利用する方法をアドバイスしています。まったく名もないアーティストがクラウドファンディングでお金を集め、ニューヨークで個展を開いたりしています。

 このクラウドファンディングの使い方ですが、実はみな初めはよく分からず、手探りでやっているのです。利用してみて、使ってみて、後半でやっと分かってくるというのが実情です。私はかねてから、クラウドファンディングを始める段階で、初心者でも分かりやすいハウツー本があればよいと思っていました。

 そして、今回上梓したのが「クラウドファンディングで夢をかなえる本」です。

 本書はクラウドファンディングを始めたいけど、何がなんだか分からない人向けに書きました。まだまだクラウドファンディングは始まったばかりなので、ハウツーを記した本はこれが初めてだと思います。アメリカ在住の私だからこそ知る入門から応用編までを解説し、あなたの分からないことを解決します。この本を読めば、今日からでもクラウドファンディングを始められるように、手順を一つひとつ追って分かるような構成になっています。ガイドブック的に読んでもらえればと思います。

 現在、日本でも20〜30のクラウドファンディング運営会社があり、まずはどこを使ったらいいのか迷うでしょう。それぞれのクラウドファンディング運営会社では、独自のノウハウが提供されています。しかしそれらを全体的に見て、アメリカの状況と比較できる私の立場であるから言えるコツがあります。これはタブーだ、こうやったら失敗するなど、運営会社ではいいにくいことも読者の皆さんにシェアしています。夢や志をもっていても、お金がない人の夢を実現させるための応援本です。

 この本を読んで日本中の多くの人たちが夢をかなえていただければと思っております。

著者プロフィール:板越ジョージ(いたごし じょーじ)

グローバルラボ(Global Labo NY)代表。IS Group代表

1968年東京生まれ。高校卒業後、1988年に単身渡米。1995年に出版・広告業のITASHO AMERICAを設立。7つの会社を経営し、資金調達を成功させ米NASDAQへ上場を試みるが2001年同時多発テロの影響で倒産。多額の借金を背負った。現在は、アメリカに進出する企業や起業家へ会社設立や資金調達などのコンサルティングを行っている。日米のクラウドファンディング事情に精通しているということで、特に最近はクラウドファンディングに関するコンサルティング依頼が急増している。サウスカロライナ大学国際政治学部卒、中央大学ビジネススクール(MBA)修了、同大学院総合政策研究科博士後期課程在籍。

中央大学政策文化総合研究所準研究員。在NY日本国総領事館海外安全対策連絡協議会委員。著書に「結局、日本のアニメ・マンガは儲かっているのか?」「アニメ・グローバル競争戦略再考」等多数。


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