リーダーは「孤独」を楽しめ――死ぬ気で働くリーダーにだけ人はついてくる:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
リーダーは決して群れてはいけないのだ。厳しいビジネスの世界で生きているかりぎ孤独になることを恐れず、チームを統率しなければならない。
リーダーが孤独を避け、部下たちへ迎合し始めたら危険だ。はじめは「いいリーダーである」と歓迎されるかもしれない。しかし、部下からの評価が「いいリーダー」から「無能なリーダー」に変わっていくのに、たいして時間はかからない。
あなたは、同好会のリーダーでもなければ、クラス会のリーダーでもない。ビジネスでは、「成果を出す」という明確な目標がある。そのターゲットから目をそらして、仲良しチームを束ねようとしても、やがて、荒廃していくだけだ。リーダーシップの欠如したチームに待っているのは、リーダーの「孤立」、すなわち、大黒柱を失ったチームの崩壊である。いずれ「孤立」してしまうくらいなら、はじめから「孤独」を楽しめばいい。リーダーは「孤独」を恐れてはいけない。「孤独」を楽しむのだ。
「孤独会議」なども楽しみたい。誰の意見にも惑わされず、たった一人でああでもないこうでもないと戦略を練る。最高の時間である。できれば、誰にも邪魔されない早朝のカフェなどがお勧めだ。
「孤読書」もかかせない。最低でも週に一冊くらいは書物と向き合いたい。読書は、孤独な自分自身と向き合える大切な時間だ。私の場合は、本が師匠であり、メンターだった。直面している問題の答えはすべて本が教えてくれた。
「孤独ランニング」もテンションが上がる。ランニングハイ状態になったとき、前向きなアイデアが閃いたりするものだ。
「孤独映画鑑賞」も意味が深い。映画はペアで見てはいけない。一人ぼっちで見ること。できれば、感動を呼ぶ人間ドラマを選びたい。ときには、大粒の涙を流し、心の澱(おり)を洗い流す時間も必要だ。
「孤独な二次会」というのもいい。チームみんなで徒党を組み、打ち上げの二次会へなだれ込むのもいいが、リーダーの役目は一次会でもう十分果たしたはずだ。感動を呼ぶ中締めに余韻を残しつつ、あとはとっとと家に帰って風呂に入り、“瞑想”でもしたほうがいい。どうしても、もう一軒という人は、「孤独バー」の静かなカウンターで一杯のお酒を少しずつ飲む。自分を褒めてあげながら、「人生のワンショット」を楽しむのだ。
心から「孤独の意味」を理解できたとき、「部下への愛情」が生まれる。
孤独なリーダーがチームの中心となったときこそ、「手に手をとりあい、支え合うチームワーク」が生まれるのだ。
著者プロフィール:早川 勝
1962年神奈川県生まれ。1989年、世界有数のフィナンシャルグループを母体とする外資系生保に入社。営業の最前線において圧倒的な成果を挙げ、数々のタイトルを獲得。1995年に、池袋支社営業所長に就任。社内で最大かつ最高の生産性を誇るコンサルティングセールス集団を創り上げ、No.1マネジャーの称号を得る。1999年に名古屋支社長に就任。どん底支社を再生させ、100名中35名のMDRT(Million Dollar Round Tableの略、世界79の国と地域でトップ6%が資格を有する卓越した生保のプロによる世界的な組織)会員を擁する組織を構築。主要項目「10冠王」を獲得し、「連続日本一」となる。
2008年、大手生保より「伝説のカリスマ支社長」として、過去に例のない破格の待遇でヘッドハンティングされる。その一方で、豊富なキャリアの中で培った能力開発に関する執筆活動や講演活動などを行い、延べ3000人以上のトップセールスマンを指導・育成し、数多くのMDRT会員を育ててきた。その後も大手生保各社からオファーを受けてプロ契約を結び、営業組織の統括部長や営業本部長として、歴史的改革や新規プロジェクトの指揮を執る。現在も、営業の最前線で活躍中。
著書に、『死ぬ気で働いたあとの世界を君は見たくないか!?』『死ぬ気で働くリーダーにだけ人はついてくる』『死ぬ気で働く営業マンだけがお客様に選ばれる』(いずれもかんき出版刊)、『どん底営業チームを全国トップに変えた魔法のひと言』(日本能率協会マネジメントセンター)、『「捨てる」成功法則』『すごい!「直観力」』『「最高の結果」はすべてを「捨てた」後にやってくる』(いずれも総合法令出版)がある。
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