DX/AI時代における業務プロセス標準(PCF)を活用した業務改革:ビジネスとITを繋ぐビジネスアナリシスを知ろう!(2/2 ページ)
DXでビジネスモデルを変革するためには業務プロセスを変革することが不可欠だ。変革にあたっては、技術導入と並行して、プロセスそのものの再設計や組織文化の変革を一体的に進めることが求められる。
PCF(Process Classification Framework)の役割
PCFは、この「業務標準化」のための共通言語(テンプレート)です。
- どの会社にも共通する「業務階層構造(カテゴリ→プロセス→アクティビティ)」を提供します
- 業種ごとの標準も整備されており、AI適用範囲を定義しやすい
- 「どの業務をAI化するか」をビジネスアナリストが定量的・客観的に選定可能
つまり、PCFを活用することは、AI導入の“設計図”を作ることです。
生成AIでもそうですが、特に昨年(2025年)から出現してきたAIエージェントが業務のAI化を拡張しています。あらためて、従来のAIとAIエージェントとの違いを見てみます。
AIエージェントは、PCFでいう「Level 4アクティビティ」単位の自動化を超え、Level 3プロセスの統合実行レベルにまで拡張していきます。
例「6.2.3 顧客苦情管理」プロセスです。
顧客対応業務が、「指示型(AIにやらせる)」から「任せ型(AIが動く)」に変わります。
PCF(左)→ AIエージェントによる自動化(中央)→ 人間の監督・承認(右)という流れを示しています。AIが生成・最適化を担い、人間が承認・モニタリングを行う協働モデルを表しています。
PCF階層における拡張マッピングです。
まとめ:AIエージェント導入による業務の再構成
- AIの活動単位が「作業(Activity)」から「目的(Goal)」へ拡張
- PCF上では、Level 3をまたぐプロセス横断的な自律運用が可能に
- 人間は「実行者」から「モニタ/オーナー」へ役割転換
- 業務標準化(PCF)+知識化(BABOK/BIZBOK)+データ構造化(BPMN/DMN)が統合必須
AI導入と業務標準化の関係を一言でいうと、――業務標準化とは、AIに仕事を理解させるための共通言語です。
標準化のない業務にAIを導入するのは、――人間でいえば「ルールのないスポーツで審判をAIに任せる」のと同じです。
著者プロフィール:清水千博(しみず・ちひろ)
CBAP、(株)KBマネジメント 代表取締役、前IIBA日本支部BABOK担当理事
28年間、YHP/HPにて、営業マネジャー、マーケティングマネジャー、SEマネジャー、SE教育マネジャーを歴任。グローバルシステムの導入でビジネスアナリシスの経験を積む。その後に独立し、KBマネジメント社を設立し現職。現在は、人材教育コンサルタント、研修インストラクターとして、IIBA認定ビジネスアナリシス教育プログラムの開発と提供を手掛ける。
2015年〜2022年(8年間)IIBA日本支部BABOK担当理事
「やさしくわかるBABOK」(秀和システム)(共著)。BABOKRガイドv3(日本語版)監修責任者。キンドル版「よくわかるビジネスアナリシス」(共著)BABOKガイドアジャイル拡張版v2(翻訳・出版)、ビジネスデータアナリティクス・ガイド(翻訳・出版)プロダクトオーナーシップ概論(翻訳・まもなく出版)、資格:CBAP(Certified Business Analysis Professional)(2011年)
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