「本物の勉強法」──「試験」「仕事」に、一生使える勉強法:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「必殺技」は存在しないが「効率的で王道の勉強法」は存在する。これを実現できれば才能に関係なく、仕事でも大きな成果が得られる。
思考:「自分の頭で深く考える力」
まだ自分の中で「本物の勉強法」が確立されていなかったとき、私は「成績の良し悪しは、暗記力で決まる」と考えていました。確かに、暗記は必要です。ですが、暗記した知識を「応用」できなければ、さらに上のレベルの試験や、実際の仕事において、成果を出すことはおぼつかないでしょう。
東大の入試問題も、司法試験の論文問題も、レベルが上がれば上がるほど、暗記力や記憶力を問う問題よりも、むしろ「思考力」の深さを問うてくるのです。かつて東京大学の入試問題(数学)に「円周率が3・05より大きいことを証明せよ」という問題が出題されたことがあります。
この問題は、本質的な「思考の深さ」を求める問題であって、「公式をちゃんと暗記しているか?」を求める問題ではありません。つまり「自分の頭で深く考える力があるか、ないか」を見極めているのです。
むずかしい試験であればあるほど、「自分の頭で深く考える力」が試されています。では、どうすれば、「自分の頭で深く考える力」を磨くことができるのでしょうか。「自分の頭で深く考える力」を磨くには、「6つの脳力」を高める必要があります。
- 6つの脳力
1、「記憶力」:効率よく「覚える力」
2、「要約力」:文章や会話の中から「要点を読み解く力」
3、「伝達力」:分かりやすく「伝える力」
4、「論理力」:前提やルールと照らし合わせながら、「順序立てて考える力」
5、「直観力」:自分の「経験から瞬時に判断する力」
6、「本番力」:自分の力を「100%発揮する力」
自分の頭で深く考えることができるようになると、勉強はもとより、仕事でも大いに役立つでしょう。勉強でも、仕事でも、人生でも、はじめから唯一の正解などありません。だからこそ「自分の頭で深く考える力」が大切なのです。
「本物の勉強法」は仕事にも生かせる!
このように、勉強の成果は、この「3つの力のかけ算」→「(1)感情×(2)戦略×(3)思考」=成果、によって決まります。この「3つの力のかけ算」の数字が大きくなるように、それぞれの力を高めていけば、才能に関係なく、勉強によって大きな成果が得られるのです。
そして、勉強だけでなく、仕事の成果も、「3つの力のかけ算」によって決まります。仕事も勉強と同じで、「新商品を発表する」「プレゼンテーションで企画を提案する」「いついつまでに、商品を制作する」といった達成すべき目標があります。
目標達成に向けて無駄なく、無理なく仕事を進めていくときにも、「(1)感情×(2)戦略×(3)思考」=成果という公式を応用することができるのです。
「本物の勉強法」は、奇をてらった勉強法ではありません。根本的で、本質的で、王道で、だからこそ「本物の勉強法」なのです。
でも、だからこそ……、「誰にでも使える勉強法」だとも言えますし、将来の「試験」にも「仕事」にも、一生使える勉強法なのです。ぜひ、この「本物の勉強法」を取り入れて、「試験」や「仕事」において、確かな成果を出してください。
著者プロフィール:白川敬裕(しらかわ たかひろ)
弁護士(東京弁護士会所属)、原・白川法律事務所パートナー。
東京大学法学部卒、ラ・サール高校卒。
1975年、福岡県北九州市生まれ。
大学4年在学中に司法試験に合格。24歳で裁判官に任官。民事訴訟、医療訴訟、行政訴訟、刑事訴訟等の合議事件に関わる。民事保全、民事執行、令状等も担当。
2003年、弁護士に転身。
著書に『ビジネスの法律を学べ!!』『憲法がヤバい』(共に、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、2014年7月まで「ビジネス法務」(中央経済社)にて「民法改正KEYWORD」を連載。共著に『会社の健康リスク対策は万全か』(フィスメック)がある。
NPO法人 日本融合医療研究会副理事長
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 成功者になれる人にしか理解できない!? プラスの現実逃避
- チームシップが企業に与える影響とは
- 「三菱商事の鈴木です」と言う自己紹介は世界標準ではありません!──グローバルに活躍する技術
- 稼ぐ人はなぜ、1円玉を拾うのか?
- できる経営者は会社を作るとき明確な理由を持っている!
- 「数字、ファクト、ロジック」で物事はシンプルに決められる
- 世界をまとめて読む
- だから会議は意見が出てこない! 上司が言ってはいけない最大のNGワード
- 「あなたに会社をおまかせしたい」と言われる人は、何が違うのか?
- なぜ、あの動画ばかり再生されるのか? 2014年、動画最前線
- うそつきは「出世」の始まり!? できるウソのつき方とは?
- できるリーダーは3年戦略をきちんと創って進む!
- トップ1%のサッカープレイヤーに学ぶ成功哲学
- 仕事を「振る or 振られる立場」を巧みに使い分ける
- ダイエットの成功は仕事に何をもたらすのか
- 経営者・営業幹部必見! 社運をかけた「事業」を成功させる方法
- 成功の仕組みを借りて、自分の「ビジネスモデル」を作ろう
- 営業ならもっと数字で考えなきゃ!── 51のフレーズで学ぶ関西商人の魂
- 「惜しい部下」のスイッチはどこに?
- 優れたリーダーに必要な対話術
- 「それ、根拠あるの?」と聞かれた時の統計分析
- ビジネスパーソンのための英語は「どう話すか」ではなく「何を話すか」
- グローバルで活躍するための「考え抜く力」
- 今30代に求められるのは後輩を育て、上司を動かす「アニキ力」
- サラリーマンはなぜ、「社長」を目指すべきなのか?
- 部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書
- 発想をカタチにする技術――新しさを生みだすありきたりの壊し方
- 「ソーシャルスタイル思考」で人間関係のストライクゾーンを広げる
- 決算書がただ読めるだけのリーダー 使いこなせるリーダー、その違いとは?――リーダーの即決即断をサポートする「A4一枚決算書」活用術
- もてるリーダー、もてないリーダー――対人魅力研究からのアプローチ
- グローバル時代のビジネスリーダーに「アジアで働く」経験がなぜ必要か?
- あなたのメッセージが伝わらないのは「声」が原因かも!?――1日5分のトレーニングで「よく通る低い声」を手にいれよう!
- 9割の人ができるのに、やっていない仕事のコツ
- 「小さくても大きなことができる時代の到来」――究極的にスリムな組織のためのヒント
- 誰でもできる聞く力、パワーアップ作戦――最初の一言のセオリー
- 「ここ一番」に強い人は「相手の脳ミソ」で考えている
- 企業で働くにも「起業家」のように働くことが必要な時代
- 遊んでいても結果を出す人 真面目にやっても結果の出ない人
- 習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」
- 独自の強み「キラーコンテンツ」の作り方
- 2014年の新興国経済と日本経済を俯瞰して予想する
- あなたもついている!? ビジネスシーン3つの嘘
- 仕事を楽にし、戦略的に人生を生きるためのセルフマネジメント
- 性格がよくなるメールの書き方
- 憲法改正は、本質を踏まえた「乗り降り自由」の議論が必要
- 実力は後からついてくる。まずは、自己PR力で理想の自分を売り込め!
- アベノミクスによる金融緩和は国民の9割を不幸にする
- 声を変えれば、うまく話せる!――「声」の認知的不協和を解消せよ!!
- 「吉田松陰」から学ぶ「明治維新をつくったリーダーシップ術」