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逆境を一瞬で打破した人々が体得した「努力」×「閃き」の法則ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

不毛な努力に自ら気付き、正しい努力に切り替える。悩んだ挙げ句、最後に行き着いた一瞬の「閃き」で困難や逆境を好転させる。

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目が覚めた

 明け方、木枯らしが窓を激しく叩く音で、目が覚めかけました。半覚醒状態のまま、不思議な自問自答が始まりました。

 「あなたは、すべての方法を試した、やりつくしたと絶望していますね」

 「はい、もう、万策尽きました……」

 「でも、たったひとつだけやっていないことがあります」

 「えっ……、それは……、なんですか?」

 そのとき、突然「閃き」が訪れたのです。

 「あなたが、たった一つだけやっていないこと。それは、人を輝かせることです」

 確かに、その通りです、それまでの私は、「輝きたい!」「売れたい!」「見返したい!」ばかりの半生でした。自分のことだけで精一杯でした。「人を輝かせよう」とは夢にも思いませんでした。

 自問自答は、さらに続きます。

 「でも、こんなに、落ちぶれている僕が、人を輝かすなんて、できっこないじゃないですか」

 「できます! 靴墨になればいいのです」

 「えっ!?」

 「靴墨は真っ黒です、でも靴をピカピカに光り輝かせることができます」

 「あ! なるほど! それなら、今の私にでも、できそうです」

 そう納得した途端、売れっ子漫画家に対する、コンプレックスが消え、集英社向けのアイデアが、一瞬で「閃き」ました。布団から起き上がり、5分後には企画書が完成していました。タイトルは「聖まるこ伝・ちびまる子ちゃん名言集」です。図々しくも、既に、強烈に光り輝いている「さくらももこ」さんを、さらに光り輝かせようと思ったのです。

 集英社向けの企画は100本ほど集まり、最終的に「聖まるこ伝」だけが書籍化されました。それも、6万部のベストセラーになるという、思ってもいない結果が出たのです。5分で作り上げた企画の印税は、私がその前年に、悪戦苦闘して得た年収とほぼ同じでした。

 それを機に、私は、それまで未知の分野だった、本の企画作りに携わるようになりました。漫画家時代には、35年間で、たった2冊の本しか出せませんでした。ところが、新たな道を歩み始めると、あっという間に、40冊以上の本を出版することができたのです。

なぜ苦境から抜け出せなかったのか

 なぜ、私は35年間、死ぬほどの努力をしても、苦境から抜け出せなかったのか。今なら、その理由がはっきりと分わかります。それは、「間違った努力」をしていたからです。不安、緊張、焦りからなされる努力は「悪あがき」でしかありません。歪んだ設計図からは、歪んだ結果しか出てこないのです。

 では、「正しい努力」とは、なんでしょうか。

 それは、「閃き」により、明確な方向を示された、必ず健全な結果が出る「努力」です。本書でとりあげた26人の方々が、それを実証されています。

 断言します。「閃き」による逆境の打破は、再現性と普遍的があります「大なり小なりの奇跡」を必ず引き起こします。

 そして、次に奇跡を起こすのは。今、この記事を読み終えた、あなたかもしれません。

著者プロフィール:おかのきんや

エッセイスト・漫画家・企画立案家・「企画のたまご屋さん」出版プロデューサー。西沢泰生氏を見出し、売れっ子作家にする。『壁を越えられないときに教えてくれる一流の人のすごい考え方』、『大切なことに気づかせてくれる33の物語と90の名言』は西沢氏と二人三脚でつくりあげたヒット企画。書籍の企画立案をした主な著名人、片岡鶴太郎、湯川れい子、さくらももこ、など。著書に『しあわせトリック』(ポプラ社)、『人生の時間銀行』(扶桑社)、『「磯野家」の幸福』(晋遊舎)などがある。


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