ありのままの自分を発揮してもらおう――良いプレイヤーが良いマネージャーになるための3つのポイント:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(3/3 ページ)
昇進したとたん、めっきり力を発揮できなくなってしまったという皆さん。仕事に対するアプローチの順番を変えてみてはいかがだろうか。
ポイント3:メンバー同士の組み合わせを頻繁にテストする
こうして各メンバーが、自分のありのままの仕事をある程度できるようになってきたら、今度は「きっとこういう組み合わせにすると、お互いにありのままの自分を発揮しやすくなるだろう」という仮説を立て、大きな仕事、小さな仕事、定常的な仕事、突発的な仕事といった、さまざまな局面で、実際にその組み合わせを試してみるのがお薦めです。
例えばですが、書籍で紹介した「直感的にトレンドをつかむ」堀江氏と、「理詰めで理論の組み立てを行う」辻氏は、2人で1つの仕事を組むと、検討の要素や基となる仮説を堀江氏がどんどん持ち込み、それを即興で辻氏がホワイトボードに取りまとめ、チームとしての議論を深めていくという、絶妙のバランスを誇っていました。この組み合わせも、最初からそうハマっていたのではなく、ある特定の取引先に関するパンフレットやキャンペーンの検討という場を2人が共同で持ったところからスタートしていました。
逆に、上手くいかない組み合わせというのは、第三者から見ていても割とすぐ雰囲気や仕事の進み具合、個人個人の態度などから分かるもので、「あのチーム、今どうなのかな?」と周囲に聞いてみたりすれば、判断が容易になります。
こうしたときは「どうやったら改善できるだろうか?」「どうしてそうなったんだろうか?」というのを、ある意味深く考え過ぎずに、次の組み合わせに移行するという方法が有効です。むしろ、組織としてのチームの組み方をあまり固定化しすぎないようにし、色々なパターンを気軽に試せるようにしておくことが重要になってきます。
いかがでしたでしょうか?こうした、「ありのままの自分」をメンバー同士が互いに発揮し、そこで伸び伸びと力を発揮するというアプローチを、試してみてはいかがでしょう。
「仕事の強みの磨き方」の中では、ライフネット生命創業当時、実際に各メンバー同士がどのように強みを発揮し、補い合っていたかの事例を全ページの大半を使って紹介しています。「ありのままの自分の発揮イメージって、どんな感じだろう?」と思った方は、ぜひご一読ください。
著者プロフィール:吉沢康弘(よしざわ やすひろ)
インクルージョン・ジャパン株式会社 ディレクター
1976年神奈川生まれ。
東京大学大学院工学系研究科修了。
P&G、組織開発コンサルティングHumanValue社、および同社でのWebベンチャー創業プロジェクトを経て、ネットライフ企画(ライフネット生命保険の前身)に参画。ライフネット生命保険にてマーケティング・事業開発を担当後、ベンチャーの創業・成長を支援するインクルージョン・ジャパン株式会社を創業し、現在に至る。
研究者であった父の影響から、マーケティング・事業創出・組織マネジメントなどをアカデミックな視点で捉え、実業での経験をベースとして、その内容をとりまとめ、情報発信や他事業への展開を通して活用・検証することをライフワークとする。
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