表情豊かな人は、コミュニケーション上手。周囲に人の輪が広がり信頼も高まる!:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
リーダーとして多くの人を束ね率いる立場なら、自分の顔が周囲にどのように見えているのかを知り、表情をマネージメントするという意識を持つべきだ。
コミュニケーションの多様化
国際交流が増え、ビジネスの場では海外との仕事が当たり前になり外国人とのコミュニケーションの機会も多くなっています。さまざまな情報伝達手段が活用されるようになり、直接会うことなくコミュニケーションをする機会も多くなっていますが、文字だけの意志の疎通には限界があり、大事な場面では電話で直に話す、会って顔を合わせて話すことは欠かせません。
インターネットやソーシャルネットワークが有効なコミュニケーション手段になっても、顔を合わせて直に話すことの大切さは変わりません、人と会う機会が減っている今だからこそ、顔を合わせることの重要性を心に留め、コミュニケーションを深めお互いの信頼関係を強めるチャンスにしなければいけないのです。
直接顔を合わせる、プレゼンテーションや会議、営業、さまざまな人が集まる交流の場などで、伝達手段としてどのような要素を重視していますか?もちろん話の内容は重要ですが、他の要素に目を向けていますか? 例えば、相手の態度や話し方はどうでしょう。表情は気になりますか? 5〜6年前くらいから、見た目からの情報、言葉以外のコミュニケーション手段が注目されるようになり、見た目に意識を向ける人が多くなってきています。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの「メラビアンの法則」によると、情報伝達手段として、われわれが受け取る情報は、話の内容はわずか7%、声や話し方など聴覚情報は38%、そして視覚からの情報、主に表情から伝わるメッセージは55%を占め、表情は非常に影響のある要素だと考えられているのです。
見た目というのは、単にかっこいいとか美しさではなく、コミュニケーションに欠かせない重要な情報として判断基準にされるのです。表情は自分が思っている以上にコミュニケーションの鍵となるメッセージが発信されますから、われわれは、表情にもっと意識を向ける必要があるのではないでしょうか?
そこで、重要なのは、「自分の顔を知る」ということです。わたしは、表情のギャップを痛感したことをきっかけに、顔の筋肉を動かすフェイスエクササイズのメソッドを学び資格を取得し、ますます人の顔や表情への関心が高まりました。表情豊かな人は周囲とのいい関係を築き、コミュニケーションも上手で、周りにはさまざまな分野で活躍し魅力ある人々が集ってくると実感するようになりました。
表情は心とつながっていますから、言葉以上に本音が伝わりやすいといわれます。
人前に立つ機会の多い人や、リーダーとして多くの人を束ね率いる立場の人は、自分の顔が周囲にどのように見えているのかを知り、表情をマネージメントするという意識を持つべきだと思います。「自分の顔に責任を持て」という言葉がありますが、周囲からどのように見てほしいか、どのような存在でありたいかを表情から伝え人間関係を良好する、表情を情報伝達手段として広く活用すること、それが自分の顔への責任、マネージメントだと考えています。
プロフィールやHPに掲載する写真も、自分が見せたい自分らしい1枚を選んでください。メディアやインターネット上に映像が流れる場合にも、視聴する人に見てほしい自分の姿をきちんとイメージ化して納得できる自分を表現してください。
映像や写真撮影で、プラスの印象に見せるワンポイントアドバイスです。目にキュッと力を入れて目力をアップし口角と頬を引き上げ、いきいき躍動感をアピールする。顎をリラックスさせ口元を軽く結び、目に意識を置いて視線を真直ぐ前に向けるとやる気や信頼を感じさせることができます。
自分が伝えたいイメージを明確にして、顔の筋肉を日頃から意識することや、さりげなく自分らしい表情を、TPOに応じてマネージメントすることを心がけてみてください。あなた自身の感情表現が多彩になり、表情を意識することで人への興味が広がり、周囲との信頼も深まることでしょう。
著者プロフィール:菅家ゆかり
上智大学新聞学科卒業後、日本テレビ放送網(株)にアナウンサーとして入社。久米宏氏とトーク番組“おしゃれ”他広報番組、ニュース、スポーツ、芸能情報番組の司会やレポーターとして幅広いジャンルを担当。退社後はフリーランスアナウンサーとして活動を展開。テレビ東京「東京レポート」、ラジオ日本「川崎ウォーク」、CS放送「読売とれんど」、日本テレビ「ご存じですか」nなどに出演。その他、シンポジュームやセミナーの司会、さまざまな分野のナレーションも担当。また、江戸川大学、日テレ学院他の授業を担当。「美顔率」などの数種のメソッドを習得しフェイスエクササイズ講師として、ビジヨンテツクなどで表情や話し方のセミナーや研修、講演と多方面で活躍中。イーウーマンでは、円卓会議議長を務め、表参道カレッジで「声トレーニング」「コミュニケーションを深める表情エクササイズ」などの講座を定期的に開講し企業研修や個人レッスンも担当する。せたがや健康つくり区民フォーラム委員を務め地域活動にも参加する。日本顔学会会員。
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