世界で勝負できる人、できない人──自分に負けないことから始めよう!:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
自分に負けないために必要なのは強い精神力ではなく、負けない方法を知ることだ。
トンネルの先に明かりが見えているか?
誰にとっても、出口の見えない真っ暗なトンネルを、一人歩くのは、辛く、不安なものです。そんなときに必要なのが、進む先に希望の明かりが見えていることです。そうなれば、心が折れることなく、がんばることができます。
その明かりの役割を果たすのが、理念であり、目的や目標なのです。人の一生には長い短いの差はありますが、1回きりという意味では、誰でも条件は同じです。その1回しかない人生の中で、「自分は何のために生きているのか」という目的と「何を達成するのか」という目標があるのとないのとでは、人生の輝きが違ってきます。
● 君の人生の理念と目的は何か?
● 何を目標として生きているのか?
● これから何をしたいのか?
● どういう自分づくりをしたいのか?
これらの質問に即答できるかどうかが、その人が目的と目標を持って生きている人か、それとも、なりゆき任せで生きている人かを判定するリトマス試験紙です。さあ、あたなは、自信を持って答えられるでしょうか?
目的を持って生きている人は、まず、結果についての責任感が強いです。優先順位の立て方と実行力も違います。その結果として、持っている付加価値が違ってきます。また、無意識のうちに何らかのテーマを決めて行動している人は、例えば不本意ながらも指示された仕事や、義理で参加する飲み会、あるいは、休日の遊びでさえ、必ず自分なりの成果に結びつけます。それは、何かの気づきだったり、人脈だったり、仕事のヒントだったりしますが、自然にそうした習慣が身についているのです。
加えて、何かを成し遂げるにあたって一番重要な情熱も持っています。英語では「go-getter」とか「self-starter」と言いますが、他人に何も言われなくても、自分で目標を設定してダイナミックにチャレンジしていく自燃型の人です。
あなたは、自分で燃えることができる人でしょうか? 燃えてない人のそばに行ってマッチを擦って燃やしてあげられる点火型の人でしょうか? 世界で勝負するリーダーをめざす皆さんには、自燃と点火、つまり、自分を高めるとともに、他人のモーティベーションを高めることができる人になってもらいたいと思っています。
最後に勝つ人は自分に負けなかった人
繰り返しになりますが、自分に負けなければ負けではありません。そして、最後に勝つ人は自分に負けなかった人です。いまのあなたがどうあろうと悲観することはありません。必要なのは、変わろう、成長しようという意識を持つことです。負けない力と、時間という友の力を借りながら、最後まであきらめることなく、あなたがめざすゴールにたどり着くことを、人生の先輩として心から願っています。
最後に、わたしはいま、次世代のグローバルリーダーを育てることを人生の目標としていますので、若い人からの質問には必ず返事をすることにしています。わたしの本を読んでの感想や質問がある人や、人生のアドバイスを求めている人は、プロフィールに載せているメールアドレスに連絡いただけると、うれしく思います。
著者プロフィール:新 将命
国際ビジネスブレイン代表取締役。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社歴任。現在は、長年の経験と実績をもとに、国内外で「リーダー人財」および「グローバル人財」の育成に取り組んでいる。実学としての経営論・リーダーシップ論には定評があり、経営者、経営幹部、次世代リーダーの間で絶大な人気を誇る。著書に「働き方の教科書」「経営の教科書」(ともに、ダイヤモンド社)「リーダーの教科書」(武田ランダムハウスジャパン)などがある。
新命将のメールアドレス:atarashi-m@sepia.plala.or.jp
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