あなたは、東京、と言われておいしいコーヒーを思い浮かべるだろうか。
かつて、コーヒー好きにとっては不毛の地と思えた東京に、2010年頃からいわゆる「サードウェーブコーヒーブーム」が巻き起こっています。サードウェーブ とは、スターバックスなどに代表される、大規模コーヒーチェーンに対するアンチテーゼとして生まれたムーブメントで、特徴としては、一杯一杯丁寧に入れられること、豆の産地に徹底的にこだわっていることなどが挙げられます。この数年で数多くのコーヒー専門店が生まれ、コーヒーを入れるのは職人技である、という認識がみるみる広まりました。今回は、東京のコーヒーショップの名店を、世界でもコーヒーを多く飲むことで知られる、タイムアウト東京のフィンランド出身の記者が訪れました。
数年前にパリのコーヒー界で革命とも言えることを成し遂げた「COUTUME」が、2014年4月に東京へ上陸。限定された農場から直輸入した最高級の豆を、美しいスチームパンクのマシンを使って入れたコーヒーで、青山の住人達を虜にしています。東京店には、芸術的なミニマリズムのインテリア、北欧のデザイナーによるテーブルウェアでまとめられ、置かれている読み物までがそこに通う常連客と同様におしゃれ。東京でも指折りのサンドウィッチに、無料のWi-Fiまであるこの空間は、都内にあるコーヒー専門店の中でも最も心地よい場所のひとつです。
山手通りからほんの少し入った路地にある洗練されたパリ風のカフェ「cafe facon」では、さまざまな良質のシングルオリジン自家焙煎の豆を使った独自にブレンドしたコーヒーに加え、紅茶や軽食も楽しめます。通りの騒音から離れた3階という立地も良く、店内には小さなバルコニーがあり、天気が良い日は、そこでのんびりと昼下がりのひと時を過ごすのも最高です。店内は全面喫煙可ですが、バルコニーに席を取れば、タバコの煙も気にならずにコーヒーの香りを楽しめますよ。
高円寺で最初にオープンしたスペシャルティコーヒー専門店である「Coffee Amp.」は、シングルオリジンの豆、そしてラテが絶品。新高円寺駅から歩いてすぐのこのお店では、レギュラーコーヒーをスタッフのおすすめの豆で注文しましょう。きっと満足できるコーヒーが飲めるはず。一日を元気にスタートできる飾りっ気のないエスプレッソもおすすめです。小さな店舗ですが、その大部分を焙煎室が占めているのにも驚かされれます。混んでいる日にはテイクアウトして、コーヒー片手に商店街を散策するのもいいですね。
先端技術を使ったエスプレッソマシンを操れるカフェのオーナーが増える一方で、サードウェーブなんて名前がつくとっくの昔から、頑なにこだわりの一杯を提供してきた老舗喫茶店も東京にはいくつも存在します。「東京のベストコーヒー専門店を訪ねて」では、今行くべきコーヒーショップを10軒紹介しているので、是非チェックしてみてください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集 五十嵐淳
タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界35都市に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えのもと、日本の優れたヒト・モノ・コト・コンテンツ・サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。
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