今回は、いつもと少しテーマを変えて、あなたの身近にいる「ヒーロー」を紹介します。みなさん、日本橋の街角で、日々黙々と掃除を行う「満月マン」をご存知でしょうか?
天からのお告げにより、満月マンとして生きることを決めた彼の仕事は、祈り、そして清掃活動を行うこと。そんな自らを彼は、「ゆるキャラ」ならぬ「まじキャラ」と呼んでいます。そんなまじキャラ・満月マンに、タイムアウト東京がお話を伺ってきました。
活躍の舞台は、徳川幕府が整備した五街道の起点、日本橋。「日本橋は東京のへそ、商業と文化の発展の中心地。そんな聖地の真上に首都高速が走っているなんて。日本の発展の象徴である場所に光が当たらない状態では、経済だって実る訳がない。今年の5月のある日、首都高速撤廃を願って祈りを捧げていると、周囲に落ちているゴミが目についた。
満月マンにできるのは掃除とお祈りだけだから、すぐに行動に移した」と語る満月マン。当初は奇異の目を向けられることも少なくなかったそう。それでも、重いコスチュームを纏ったまま、4〜5時間にも及ぶ清掃活動を毎日行い、活動開始からひと月も経つと、日本橋を日々行き交う人々から、暖かい声援をもらうようになりました。活動を続けるうちに賛同者が集まりはじめ、昼休みや会社帰りに清掃を手伝ってくれる人も増えました。2014年の七夕には30人を超す人々が集まり、日本橋周辺の清掃を行ったそうです。
彼の夢は、「そうじ」や「きれい」が、「カワイイ」や「アニメ」のように、日本発の国際語として世界で認知されること。ポイ捨てをする人を非難するのではなく、ポイ捨てしない人が1日1個でいいのでゴミや落ち葉を拾うことで一瞬にして街はキレイになる。「掃除」とは「きれい」をキープしていく、という考えが早く国内、いずれは全世界に浸透していったらいいなと語ります。
「多様な人々が住む東京で、自らの住まいに愛着の持てない人は、掃除に向かうだろうか?」という質問に対しては、「まずは掃除すること。愛着があるから掃除するのではなく、掃除するからその場所を愛せる。俺はもともと掃除が好きだったから、家では掃除する場所がなくなってしまって外に出たのだけれど、逆に、外を掃除することで家の中に意識がいく人もいるはず」と答えてくれました。
悪を倒すことだけがヒーロ−ではないということを教えてくれた満月マン。ホウキとチリトリを武器に、寡黙な戦いは今日も続いています!
満月マンについての詳しい記事は「「そうじ」を国際語に。満月マンが日本橋から発信する夢」にで紹介しています。ローカルヒーローの活躍を、是非チェックしてみて下さい。
著者プロフィール:タイムアウト東京 編集 五十嵐淳
タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界35都市に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えのもと、日本の優れたヒト・モノ・コト・コンテンツ・サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。
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