下町の人気観光スポットといえば、浅草です。日本国内に限らず、世界中から観光客が訪れる街ですが、今日ご紹介したいのは、その浅草からほど近く、地名も似通っているものの、いまひとつ認知度の低い街「浅草橋」です。
歴史的に見れば、神田川の河口から隅田川をのぼり、吉原へと繰り出す船遊びの要となる船宿や料亭、気っ風の良さで知られた柳橋芸者を抱える花街として栄えたエリアでもあります。かつての印象は薄れてきたものの、まだまだ下町らしい風情がところどころ残っている浅草橋。
ここでは、花柳界の名残を残す名店を3軒紹介したいと思います
政財界や演劇界などに多くのファンを持つ、浅草橋駅近くにある「逸品会では、品のいい和菓子や煎餅が楽しめます。中でもちょっとしたお土産に喜ばれるのが、20種以上のさまざまな野菜チップスと煎餅が吹き寄せのように詰められた「宴の華」。
柳橋のたもとに店を構える「柳ばし 小松屋」は、風情ある佇まいの佃煮専門店です。「糸切昆布」や「一と口あなご」など、江戸前の佃煮はご飯のお供やお酒のアテにオススメです。冬の時期限定の「牡蠣佃煮」は、お茶漬けに最高の味。
とんかつ専門店の「百万石」は、とんかつの美味しさもさることながら、一品料理が充実している小料理屋です。渓流釣りが趣味というご主人と気さくなお内儀さんとのおしゃべりも楽しい、下町らしい素敵な店で、往事の花柳界を忍ばせる座敷や茶室、坪庭など、落ち着いた雰囲気でゆっくり食事が楽しめます。
タイムアウトバジェット:逸品会「宴の華」3,150円、柳ばし小松屋「佃煮詰め合わせ」1260円、百万石(昼800円〜、夜3500円〜)
浅草橋には他にもまだまだ魅力的な店がたくさんあります。油の専門店や、池波正太郎がかつて通ったという洋食店など、全部で15軒のお店を紹介した記事は「浅草橋、ご近所ガイド」をどうぞご参照ください。
著者プロフィール:タイムアウト東京 コンテンツ・ディレクター 東谷彰子
タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界35都市に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えのもと、日本の優れたヒト・モノ・コト・コンテンツ・サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。
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