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» 2016年10月24日 07時24分 UPDATE

人脈を科学する――つながる人、引き上げる人、できる人の法則:言語化能力が人脈を広げる (1/2)

さまざまな人が一緒に仕事をしたがる人、仕事ができる人の多くは言語化する能力に長けている。

[高田朝子,ITmedia]

座っていたって人脈構築はできない

 人脈は修羅場を一緒にくぐり抜けた経験からできる、と今までずっと話してきました。修羅場というと、なんともおどろおどろしい語感で躊躇してしまうかもしれません。修羅場の構成要素は2つです。期日とその日までに求められるアウトプット。こう考えると、どこにでも修羅場は転がっています。期日のある仕事は、期日の無い仕事よりも絶対数が多いのはビジネスの世界ではよくみられることです。一人ぽつねんと座っていたって人脈構築はできません。他人とのやりとりがあって初めて人脈は作られていくのです。

 人脈の研究をしていて、多くのビジネスパーソンと会い気がついたことがあります。さまざまな人が一緒に仕事をしたがる人、いわゆる仕事ができる人の多くは言語化する能力に長けているということです。本人が意識しているか否かにかかわらず、物事をはっきり明確に伝えることに長けている場合が多くありました。

 もちろん、全員がそうだとはいいませんが、少なくとも情報のデリバリー能力というものが、人脈構築に一役買っているように思います。もっともこれは人脈作りに限らず、仕事を巧くやりこなす能力なのかもしれませんが。

 思考と言語は密接に影響し合っています。思考は言語によって概念化され、他人に語られます。人は言葉を使って話すことで、他人に影響を及ぼします。その意味では言語はビジネスパーソンにとって重要な道具です。修羅場のように人との協働作業が必至である環境下では言葉は武器になります。

言語化する能力を磨く

 日本のビジネスの男性社会では「あうんの呼吸」とか、「目を見ただけで相手の求めることが分かる」といった暗黙知を共有していることが仲間、かっこよく言うと強いつながりを持つインフォーマルグループ のメンバーである条件でした。

 歴史的に男性が圧倒的多数を占める組織では、男性同士の言葉に出す必要の無い共通の体験や思想や、考え方のフレームを共有してきました。いわゆる暗黙知の共有です。それは、何度も飲みに行って共有した考え方や経験かもしれませんし、何か一緒の活動をして得たものかもしれません。

 日本企業の多くの管理職は、男性で、日本人で、似たような教育のバックグラウンドを持つ同質的な集団です。このグループは男性だけがメンバーで他者の参入を許さない閉じたグループでした。仲間内での「察しが悪い」ことはビジネスマン(あえて男性名詞を使います)にとって致命的なこととされました。

同質的な人々からなる集団であればこのあうんの呼吸や、相手の事を察するというのは比較的簡単でしょう。

 しかし、少子化の中ここに女性が入り、外国人が入ってくるのは避けられない現象です。異質な人々が入ってきて、そしてその割合が増えていく時にはあうんの呼吸は成立しません。人々の間を埋めるためには言葉を尽くすことが不可欠になります。相手が分かっているだろうことを前提として説明するのでは無く、相手が分からないことを前提として説明をすることが求められます。具体的に言えば、より丁寧に、より相手にとって分かりやすく多くの情報を伝えることが必要となります。

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