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» 2023年11月29日 11時27分 公開

ドローンとAI活用、ナラ枯れ把握効率化 所沢市と京大発の新興企業が協定

ドローンが上空から撮影した森林の画像をAIで解析し、ナラ枯れの状況を把握することで、調査にかかるコストが大幅に減少するという。

[産経新聞]
産経新聞

 ナラ菌によりミズナラなどが集団的に枯れる「ナラ枯れ」の把握を効率化しようと、埼玉県所沢市と京都大発のスタートアップ(新興企業)「ディープフォレスト・テクノロジーズ」(京都市)などは、所沢市三ケ島の樹林地で実証実験を行った。ドローンが上空から撮影した森林の画像をAIで解析し、ナラ枯れの状況を把握することで、調査にかかるコストが大幅に減少するという。同市は令和7年度からの事業運用開始を検討している。

ディープフォレスト・テクノロジーズの職員がドローンを操縦する様子=所沢市(山本玲撮影)

 ナラ枯れは、体長5ミリほどのカシナガという小さな虫が媒介するナラ菌により引き起こされる。ナラ菌が繁殖した木は樹幹の通水機能が低下し、急速に枯れてしまう。全国のナラ枯れ被害は平成22年度をピークに減少してきたが、令和2年頃から再び流行が始まり、同市が管理する樹林地でも、2年に92本、3年に422本、4年に1088本の被害が確認された。放置すると周辺樹木への被害拡大や倒木の危険があるために対策が必要で、同市によると昨年は枯れた木の伐採に1億1千万円以上の費用がかかったという。同市みどり自然課の増田義彦主査も「(調査のため)下草が多く、人が入れないようなところにも入っていかなければならず、大変だ」と苦労を語った。

 こうした状況を解決しようと、同市とディープフォレスト、NTT東日本は10月16日、「ナラ枯れ把握効率化の実用化実証実施協定」を締結し、実証実験を開始した。同月17日の実験では、同市三ケ島2丁目の約9.8ヘクタールの樹林地上空をドローンが約30分間飛行し、約500枚の画像を撮影。ディープフォレストが運用するAI解析ソフトで樹木を識別し、ナラ枯れが発生している樹木を検出した。この樹林地はこれまで、職員4人が4日をかけて調査をしていた。

 実用化となれば森林保全のためのコストを大幅に削減できるとみられる。同課の加賀屋浩介課長は「(樹林地を解析し、再現した)3次元の画像には驚いた。この技術を今後所沢市の樹林管理に活用できれば」と話した。(山本玲)

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